はじめに
手順 1 に進むminiが登場しました! —またもや—iPhone 12の分解時間です。そして小型モデルにもかかわらず、miniの分解はこれまでにないほど大掛かりなものとなります。大規模すぎるために、2つのパートに分割しなければなりませんでした。 USとEUモデル間の全チップや5Gハードウェアの違いを詳細に点検しました。(そうです、両モデルを同時分解しています。)
そして今週は、今年最大の分解ウィークです。Xbox Series X の分解(日本語)や弊社ブログーPlayStation 5/Xboxの比較(英語)、またライブ分解もお楽しみください。もしそれでも物足りない方は、完全版iPhone 12 Pro Maxの分解をご覧ください。
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必要な工具と部品
ツール
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時として、小さいパッケージにも大きなスペックパーツが詰められています。このモデルも当てはまります。この分解ではUSとEUモデルを同時に手に取り、見逃しているものはないか比較しながら分解を進めます。
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A14 Bionicチップ、次世代のNeural Engine
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5.4インチ(2340 × 1080ピクセル解像度)、Super Retina XDR OLEDディスプレイ、True ToneとHDR
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デュアル12MPカメラシステム、超広角 (ƒ/2.4 絞り値) と広角(ƒ/1.6 絞り値) カメラ
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容量 64, 128 もしくは256 GB
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5G (sub-6 GHz とミリ波)接続、プラス4x4 MIMO LTE, 802.11ax Wi-Fi 6, Bluetooth 5.0、超広帯域バンド(UWB)
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MagSafe 12 W ワイヤレス充電
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IP68等級(最大水深6メートルで最大30分間)
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小型でちょうどいいサイズのスマートフォンが良かったという途絶えることのない声にも関わらず、iPhoneは”標準サイズで既に大きく、大型サイズになると桁外れに大きい”というトレンドに乗っています。
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残念ながら、わずかに小型化したサイズでも、私たちの友であるヘッドホンジャックの帰還とはなりません。
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iPhone 12 miniには興味深い新機能が搭載されています。左右のスピーカーグリルが非対称になっています。元チーフ・デザインオフィサーのJony Iveは喜んでいないはずです。 小さなスマートフォンにはアンテナバンド用のスペースがさらに必要です。
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他のiPhones 12モデルにも当てはまりますが、USモデルには小さなミリ波ウィンドウが付いています。一方でEUモデルにはリサイクル規制マークのタトゥーが入っています。
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この手順で使用する道具:Heavy-Duty Suction Cups (Pair)$14.95
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今後も長年に渡って、iPhoneデザインは変化を続けていくでしょうが、ペンタローブネジは変わることはありません。でも私たちのツールキットには必要なツールが全て詰まっています。
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他のiPhone 12シリーズ同様に、miniのディスプレイも非常に頑丈な接着剤で固定されています。しかし熱や大型の吸盤カップには敵いません。
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ペンタローブネジを外して、接着剤を切開すれば、ディスプレイがiPhone 12/12 Proと同じように右側から左に向けて開きます。
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"オペレーション"ボードゲームは終了です。次に"I spy(位置当て)"ゲームをしたい人は?スタンダードiPhone 12モデルと比べてみましょう。
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3本のディスプレイケーブルが2本になりました。
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バッテリー、Taptic Engineとラウドスピーカーが小さくなりました。
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幾つかのディスプレイ用チップが移動しました。
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内部スペースが縮小したminiにスピーカー、Face IDとセンサーを含む上部センサーアセンブリを搭載するために、これらのパーツが再配置されました。
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小型化したiPhoneに、性能が向上したカメラが搭載されているのは初めてです。特にカメラ自体の品質が下がっていなければ、素晴らしいです。
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miniのカメラ(左)は、スタンダードiPhone 12(右)に搭載されていた ƒ/1.6 広角カメラとƒ/2.4超広角カメラが搭載されています。広角カメラモジュールには、光学式手ぶれ補正 (OIS)機能が付いています。X線画像でこの機能を確認します。もうじき公開です!
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スピーカーを外すと12モデルシリーズには、オレンジの防水用ガスケットが付いています。
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12/12 Proでサイズが縮小したTaptic Engineと比較すると、miniではさらに小さくなっていることに驚きました。
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この小さなTaptic Engineのサイズは 15.14 mm x 10.9 mm x 3.44 mmで、12/12 Proに搭載されているものより25%も小さくなりました。
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これにより生じた追加スペースを有効活用できるため、代わりに頑丈なケーブルやソケットが使用されています。
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この手順で使用する道具:Tweezers$4.99
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ピンセットで摘んで引っ張ります!ストレッチしてリリースする、スタンダードなプルタブは、ミニサイズのお家に対してとてつもなく大きいです。それでも、これは力作業です。
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miniのバッテリー容量は8.57Whで、iPhone SE 2020の6.69Whに比べると増量しました。しかしながらMiniを上に重ねた(画像3参照)スタンダードiPhone 12の10.78Whには遠く及びません。これは止むを得ないでしょう。
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大型の12モデルは、15Wのワイヤレス充電が可能ですが、miniは12Wです。
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猫のお昼寝のように休んだ後、分解に舞い戻ってきました!でもスーパーヒーローは眠りません。そしてCreative Electronより素晴らしいX線画像が届きました。
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X線画像から分かることは?いつものように濃く映るパーツは高密度で、スマートフォンの場合、そこにマグネットパーツが使用されています。
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下側のカメラ、イヤホン、ラウドスピーカーと小さなTaptic EngineにOIS用マグネットが使用されています。
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最も興味深いのは、MagSafeリングが縮小して見えます…ある意味。
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上部センサーアレイにある高密度なエリアは一体何でしょうか?調べてみましょう。
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USモデルの正面向きカメラには、小さなエクストラなものが付いています。EUモデルのカメラには見当たりません。
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EUモデルのiPhoneに搭載されていないことを考慮すれば、これは3番目のミリ波アンテナのようなものではないでしょうか?(しかし、私たちの知っているミリ波アンテナの形状とは程遠いです。) X線で解明を試みますが、謎に包まれたままです。
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またAppleのエンジニアが、環境光センサーを小型化して、このスペースに移したのかもしれません。一体、環境光センサーはどこにいったのでしょう?
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積層されたロジッックボードを点検しましょう!ご参考のために、画像中の上側にUSモデル、下側にEUモデルを配置しています。
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まず類似点から。USとEUモデルの上側のロジックボードは同じです。同一のチップが搭載されています。
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ロジックボード下側には、より興味深い点があります。(ご注意: SIMリーダーは同じですが、USモデルのものだけ半田を外して取り出しました。) USボードにはミリ波テクノロジーに対応するため、以下のものが搭載されています。
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正面側のミリ波アンテナに繋がる追加のソケット(手順9参照)
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Murata 1XR-482 ミリ波フロントエンドモジュール
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QualcommのSDX55M 5Gモデムと連動するQualcomm SMR526 中間周波数IC
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ボード右側にさらに1つのミリ波アンテナ
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ミリ波アンテナのサイドエッジに繋がった半田付けされたフレックスケーブル
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USモデルとEUモデル間の違いが分かったので、(ほとんど馴染みのある)USモデルのチップについて調査します。
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Micron MT53D512M64D4UA-046 XT:F 4 GB LPDDR4 SDRAMとApple APL1W01 A14 Bionic SoCが積層 (iPhone 12/12 Proに搭載されていたものと同じ)
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STMicroelectronics STWPA1-3033ABM ワイヤレス充電IC (STWBC-EPチップと類似しているよう)
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KIC M224 BE0408 TWNA 12031, 64 GBの Kioxia NAND flashメモリ
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Qualcomm SDR865 5GとLTEトランシーバー
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Qualcomm SDX55M 5Gモデム-RFシステムとSMR526 中間周波数 IC
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Apple APL1094パワーマネージメント IC
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プロセッサPCBICの識別情報はまだまだ続きます。
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Texas Instruments SN2611A0リチウムイオンバッテリーチャージャー
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Apple/Cirrus Logic 338S00537 Mono オーディオアンプ
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Apple/Cirrus Logic 詳細不明のオーディオコディック
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NXP Semiconductor CBTL1614A1ディスプレイポートマルチプレクサ
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Samsung S2DOS24 ディスプレイパワーマネージメント
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Apple 338S00564-B0 ? パワーマネージメント
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Texas Instruments LM3562A1 LEDドライバー
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まるで感謝祭翌日のように、ケースから残り物を取り出します。
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リボンケーブル、アンテナ、マイクロフォン、フラッシュモジュールとLightningコネクタを取り出します。
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iPhone 12の大型モデルと同じように、最後に出てくるコンポーネントはMagSafeコイルとボタンアセンブリです。
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- 修理頻度の高い2つのパーツ(ディスプレイとバッテリー)のデザインはよく配慮されています。
- 多くの主要なパーツはモジュールで、個別でのアクセスと交換が可能です。
- 特殊ネジの存在が修理を複雑にします。しかし、接着剤の使用よりネジの使用の方が便利です。
- 防水性能が強化されたことにより、修理作業は複雑になりますが、同時に修理が難しい液体ダメージの可能性が低くなります。
- 背面側シャーシを覆っているガラスは破損しやすく、修理をするには非現実的です。一度落下すると、全てのコンポーネントを取り出して、シャーシ全体を交換しなければなりません。
まとめ
リペアビリティのスコア


(10点が最も修理しやすい指標です)
以下の翻訳者の皆さんにお礼を申し上げます:
100%
Midori Doiさんは世界中で修理する私たちを助けてくれています! あなたも貢献してみませんか?
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13 件のコメント
I wonder how Apple manages to keep thermals under control. Usually, the top of the SoC is cooled in most phones, but it looks like the only method of cooling this device is through the back of the logic board. I know it works, but it just doesn’t seem like the best solution.
The Node level used in creating the A14 uses much smaller lithography widths (5 nm) than other SoC’s so the chip runs cooler!
Dan -
Great effort, thx. Will we get some teardown wallpaper for the 12 mini?
Definitely! Stay tuned for some wallpapers!