はじめに
今年発売されたmini iPhoneと2モデルの中型iPhoneの分解を既に終えましたが、最後に残しておいたのは最も大型のiPhone 12 Pro Maxです。先週お届けした ライブストリーム分解で、既に内部を覗き見された方もおられるでしょうが、より詳細に点検したいものです。このフルボディの完全分解をお楽しみいただく時間がやってきました!
iPhone 12 Pro Maxカメラを最大限に試してみるため、同カメラで撮影して、Halide カメラアプリで加工した2枚を、この分解の画像にこっそりと加えています。どれだか分かりますか?該当画像は手順14
にあります。
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必要な工具と部品
ビデオの概要
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これが最後の新iPhone12モデルの分解です!iPhone 12シリーズのボスの技術仕様を並べました。
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A14 Bionicチップ、第四世代のNeural Engine
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6.7インチ (2778 x 1284ピクセル解像度 ) Super Retina XDR OLEDディスプレイ、広色域(P3)対応、True Tone
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12 MPトリプルカメラシステム、広角 ƒ/1.6絞り値 (OIS)、超広角 ƒ/2.4絞り値、望遠 ƒ/2.2絞り値 (OIS)カメラ、 LiDARモジュール搭載
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RAM 6 GB、容量は128, 256,512 GB
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5G (sub-6 GHz)、4x4 MIMOとLAA対応ギガビットLTE、802.11ax Wi-Fi 6、空間認識のための超広帯域チップ (UWB)、NFCとBluetooth 5.0
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MagSafe 15 W ワイヤレス充電
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IEC規格60529にもとづくIP68等級(最大水深6メートルで最大30分間)
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もしまだご存知ない方のために、また”角ばったスクエア”の形状が新しいスタイルです…復活です。
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サイズは重要です。とりわけカメラセンサーとなると侮れません。12 Pro Maxは、公表されている低照度パフォーマンスを87%改善させるために、iPhone史上最も大型のセンサーを搭載しています。カメラオタクな話をする前に、iPhoneモデル間で比較をしてみます。
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左からグリーンのiPhone 11 Pro Max、上のゴールドのiPhone 12 Pro、右にブルーのiPhone 12 Pro Maxです。
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大型モデルがお好みなら、iPhone 12 Pro Maxをお勧めします。カメラバンプも含めて全てが巨大です。
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分解を始める前に、X線ブループリントで確認します。ラッキーなことに、私たちはいつもX線画像を届けてくれるCreative Electronという相棒がいます。
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全体的なX線画像は、他の12モデルとよく似ています。Proモデルのみに確認できるのが、高濃度のスチール製フレームが色濃く写っています。MegSafeリングは、12 miniではうまく入りきらなかったものの、このMaxでは小さく見えます。
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いつもの熱とiSclackで、Pro Maxをゆっくりと開いていくと、内部に潜んだ大きな秘密が暴かれていきます。
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他のiPhone 12モデルのように、Pro Maxは本を開くように右から左側に向けて開きます。この中には面白いストーリーがありそうです。
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もちろん、これは本の形状ではありませんが、私たちの言う構造は理解いただけるはずです。iFixitの修理ガイドを参照すれば、誰でもiPhoneの修理ができます。
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Q :しかしiFixitの皆さん、私はiPhoneの修理は必要ありませんが、格好良いデバイス内部を眺めるにはどうすればいいのですか? A:問題ありません。そんなあなたのために、Pro Maxのスマホ用壁紙を準備しています。
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今日は冗談を言っている時間はありません。締め切りもあるし、分解を待っている他のガジェットもあります。すぐに注目のPro Maxの新カメラを確認します。
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12 Pro Maxで注目を浴びているのは、標準広角カメラ(3番目画像下側左)です。このカメラには、47%拡大したセンサーを搭載しており、より光量を集約できるため、高画質の画像が撮影できます。
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X線画像を確認してみると、標準広角カメラのセンサーは非常に大型であることが分かります。センサー周辺に4つのマグネットが搭載されています。おそらくAppleの新センサー(シフト光学式手ぶれ補正)はこのマグネットによるものでしょう。
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LIDARセンサーをより詳細に見たい方は、こちらの分解ビデオをご覧ください。
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iPhone 12 Pro Maxのプライマリ(広角)センサーは…こんなに大きいです。そしてこの大型スマートフォンにはぴったり合う大きさです。
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”Pro”というラベルを付けた大型サイズで、高価格なモデルを見ると、私たちは時として懐疑的になります。しかし、このセンサーを普通サイズのiPhone12 Proに搭載しても、上手く合致しないでしょう。
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この新センサーとiPhone 12のセンサーを比べると、後者はとても小さいです。しかし実際は、47%も大型の12 Pro Maxセンサーの解像度は、iPhone 12のものと同じ12MPです。各ピクセルが大きくなるため、より多くの光量を照射できます。
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このテクノロジーは、数多くのモダンDSLRとミラーレスカメラに搭載されています。手ブレによる画像を補正するには、2つの方法があります。レンズを動かす方法と、センサーを動かす方法です。
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通常、手ぶれ補正機能付きのスマートフォンには、レンズベースの光学手ブレ補正機能(OIS)が搭載されています。ネット上では、プロ級カメラにとってどちらの補正技術が一番良いか様々な意見に分かれています。
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AppleはiPhoneにセンサーシフトをする方法を採用したのは、最善の選択であったのか、もしくは新 f/1.6という大型レンズでは適切に手ブレ補正ができなかったのかもしれません。
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この手順で使用する道具:Minnow Driver Kit$14.95
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新ハイパーポケットサイズのMinnow Driver Kitの力を借りて、ラウドスピーカーとTaptic Engineを取り出せます。
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MaxのTaptic Engineには小さな黒いプラスチックのサイドカーが付いています。これは一体何のためでしょう?ディスプレイをサポートするためのものか、もしくはバッテリー用のエクストラバンパーでしょうか?いずれにせよiPhone内部の”空の”スペースを埋めるために何かが入れられているのは珍しいです。しかしこれは、初めてのケースではありません。
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Appleのエンジニアたちはバッテリーの容量に満足して、Taptic Engineとスピーカー用のスペースも拡大したようです。Miniのパーツと比較すると、その大きさは明らかです。
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デバイス下側のコンポーネントを取り出せたら、次はバッテリーに付いているストレッチしてリリースする接着ストリップを理想的な角度で引っ張ります。
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”L(Lose:負け)”という文字に騙されないでください。パワーだけでなく、テクノロジーという意味でも、Maxには他のiPhone 12モデルに搭載されたバッテリーよりもはるかに素晴らしいバッテリーが搭載されています。X線画像で確認すると、Maxのバッテリーは完全なL字形ではありませんが、それに近い形状です。そして先端技術が生み出す形状はバッテリーの容量を増やします。
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Maxのバッテリー容量は14.13Whで、miniバッテリーの容量(8.57Wh)や、12と12 Proの容量(10.78Wh)と比べて大幅に増量しました。
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このロジックボードの層間剥離(ボードディラミネーション)作業中、ボードを破損してしまいました。ナイフが軽く滑ってしまい、チップの数カ所が破損しています。これも全て、ロボットインターンの責任にしましょう。これが幾つか探し出したチップです。
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Kioxia NAND 128GB フラッシュメモリ
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ST Microelectronics STB601A パワーマネージメントIC
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QualcommのSDR865 5GとLTE トランシーバー, SDX55M 5G モデム-RFシステムとSMR526 中間周波数IC
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USI 339S00761 WLAN / Bluetoothモジュール
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デュプレクサを内蔵したAvago 8200 高/中間バンドパワーアンプ
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Murata 1XR-482 ミリ波フロントエンドモジュール
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すぐに A14チップに注目しましょう。そしてその周辺のチップも確認します。
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6 GB Samsung K3UHCHC0MM-VGCL RAMに積層されたApple A14 SoC
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Apple 343S00437パワーマネージメントIC
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おそらくSTMicroelectronics ワイヤレスパワーレシーバー
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Possibly an Apple/Cirrus Logicオーディオコディック
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Apple 338S00564-B0パワーマネージメントIC
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Apple/Cirrus Logic 338S00537 モノラルオーディオアンプ
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Apple 338S00616, ディスプレイパワーマネージメントICのよう
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この分解を読んでいただいた皆さん、無事終了です!今秋シーズンで4台目、そして最後となる新iPhoneを無事に解体できました。唯一残っているものは?それはスマートフォン用壁紙を皆さんにお届けすることです。
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Pro Maxは間違いなく、5Gを搭載し、パーツの質に妥協がないAppleの今年モデルの最高峰iPhoneです。
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このiPhoneにはハイテクL字型バッテリーが搭載されています。来年登場するであろうiPhoneラインアップに、このバッテリーが主流となることを願っています。大型のバッテリーは、デバイス生涯に渡り、交換頻度が低くなるからです。(そしてとても格好いいですよね)
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追記:このモデルに搭載された新カメラの機能について、とても感心しています。この分解ページでは、通常のNikonカメラに加えてiPhone 12 Pro Maxで撮影した2枚の画像が使用されています。それはこの手順とこちらの手順に使用しました。
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- 修理頻度の高い2つのパーツ(ディスプレイとバッテリー)のデザインはよく配慮されています。
- 多くの主要なパーツはモジュールで、個別でのアクセスと交換が可能です。
- 特殊ネジの存在が修理を複雑にします。しかし、接着剤の使用よりネジの使用の方が便利です。
- 防水性能が強化されたことにより、修理作業は複雑になりますが、同時に修理が難しい液体ダメージの可能性が低くなります。
- 背面側シャーシを覆っているガラスは破損しやすく、一度落下すると、全てのコンポーネントを取り出して、シャーシ全体を交換しなければなりません。
まとめ
リペアビリティのスコア


(10点が最も修理しやすい指標です)
以下の翻訳者の皆さんにお礼を申し上げます:
83%
Midori Doiさんは世界中で修理する私たちを助けてくれています! あなたも貢献してみませんか?
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17 件のコメント
The lightning port is probably pair the the phone like all the rest of the components.
i have no idea what i was typing here lmao
Tristan, I’ve seen plenty of port replacement videos, as far as I know, it is not paired.
As to if a USB-C port would work, or if Apple only enables it on iPadOS, I don’t know.
jjb0894 -