はじめに
あるスマートフォンメーカーとオペレーティングシステム開発者たちが8から、9を飛ばして10 (X)という意味不明なカウントをした一方で、Samsungは規則正しくSamsung Galaxy S9+(しかもノッチなし)を世に出してくれました。このモデルは真のXの競争相手なのか、はたまた奇妙なAR(拡張現実)アニ文字マシーンなのかは分解だけが答えを教えてくれます。
また より小型でスタンダードな Galaxy S9の分解も行いました—こちらもお見逃しなく!
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必要な工具と部品
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S9+のスペックは向上しました。そしてレンズ開口部のサイズも増えました。早速、おさらいしてみましょう:
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ノッチ(切り欠き)レスの6.2インチ AMOLEDディスプレイ、2960 × 1440 (約530 ppi)の解像度
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Qualcomm Snapdragon 845またはSamsungオリジナルのExynos 9810(発売地域による)
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1200万画素、光学手ぶれ補正、Dual Aperture(f/1.5とf/2.4で絞り可変) メインカメラ、加えて1200万画素、光学手ぶれ補正セカンドカメラ、800万画素セルフィーカメラ
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ヘッドフォンジャックとmicroSDスロット
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IP68防水/防塵に対応
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Android 8.0 Oreo
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素晴らしいのは、iPhoneを模倣した製品が数多く出回る中で、Samsungはノッチレスをデザインし、ほぼベゼルレスのディスプレイに仕上げました。
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画像中の左側はS9+で”ベゼルレス”であるのに対し、右側のiPhone Xはノッチが付いています。
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リアサイドに移ってみると、iPhone Xのカメラ突起はひどい出っ張りがありますが、一方でS9+のセンサー配列は大きくて不格好、こちらのデザインも素敵とは言い難いです。
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ワイヤレス充電の拡充により、リアガラスのデザインが人気です。見た目はカッコイイですのですが、物ををよく落とす人たちにとっては悪いニュースです。
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iPhone 4Sのリアガラスは2分もあれば交換できたかもしれませんが、これはそう上手くはいきません。
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内部を探る前に、まずは友達のCreative ElectronにX線撮影をお願いしましょう。
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新しいデュアルカメラやその他マイナーなパーツの配置が入れ替わっていることを除けば、前モデルS8のX線画像と非常に類似しているように見えます。
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危険が潜む開口作業をなんとかすり抜けた後、本体の後ろ側に分解作業を移します。
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リアカメラに注目しましょう。最高テクノロジーの新Dual Apertureのカメラが作動する様子を確認できます。
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一般的なカメラレンズでは少なくとも5枚の絞り羽根が使用されており、開口部がおおよそ円形状になるよう調整します。しかし、このGalaxyの絞りは2タイプのみでローテーションしています。調整はリング状の羽根で行います。
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搭載場所が変更された指紋認証センサーを、まず最初に取り出します。粘着力のあるリングがセンサーを固定しており、同時に防水機能を備えています。
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Samsungは指紋認証センサーケーブルの配線方法の改善を考慮してくれませんでした。これには少しがっかりです。ケーブルは粘着剤でがっちりと捕らえられているため、バックカバーから取り出そうとするとセンサーにダメージが入ってしまいます。 Samsungさん、来年こそは頼みますよ!
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このあと15本のネジを外して、お馴染みの2枚のミッドフレームウェーハー に統合されたワイヤレス充電コイル、アンテナアセンブリと下部スピーカーを一緒に取り出します。
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この手順で使用する道具:iFixit Adhesive Remover$19.99
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Galaxyフォンから接着剤で固められたバッテリーを取り出すにはどんな手段があるでしょうか?
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オプション1:多量の熱を当て、ツールでこじ開け、消火器を準備して、砂を入れたバケツを置いて、
鉄*ヴィブラニウム(Vibranium)の心臓を持って冷静に作業する。*Vibranium: 映画 ”ブラックパンサー”を観ましょう。 -
オプション2:少量のiFixit 接着剤リムーバーをシリンダーに入れて接着剤を溶解する。
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私たちは後者を選びました。ブルーの液体を少し小さな容器に流し込み、バッテリーをゆっくりと揺すります。数分後、ご褒美が取り出せました。
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そうなんです、これは昨年発売されたS8+のバッテリースペックと全く同じです。…しかも別の意味で有名になったあのNote7のバッテリーとも。
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ところで、Samsungはバッテリー上に粘着性のある黒色テープを付けるのが好きなようです。今に至るまでこの存在理由が分からずにいます。もしこのテープが何を意味しているのか知っている方はぜひ教えてください。
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2つのネジを外して、スパッジャーでFPCコネクターの接続を外すとすぐに、基板が取り出せます。
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このディスプレイケーブルが筐体の細長いスリットに通されて、基板上に掛け留められているとは誰も想像しなかったでしょう。まるで地獄の底から吊り上げられているようです。
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…最近のGalaxy 分解レポートを詳細に読んだことがある人以外は、想像できないはずです。
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Samsungさん、どうしてこのデザインを採用したのか分かっています。でも、あなたたちはこのデザインよりももっと賢明であると確信しています。もう2018年になりましたー接着剤で固められたバックカバーを必死で取り出さなくても簡単に接続が外せて交換できるディスプレイを作ってください。よろしく頼みます!
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マザーボードの取り出し:クリア
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デュアルイメージセンサーにも関わらず、この2つのカメラは一つのユニットに繋がっています。そして一枚のプリント基板上に1本のコネクターで繋げられています!
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S9+カメラ全体の数は4つですー新デュアルメインカメラに加えて、セルフィーカメラと虹彩カメラがあります。
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今回のカメラの配列はStar と呼ばれるようです。昨年の配列は "Dream"カメラでした。
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私たちの友達であるTechInsightsがカメラモジュールを分解してくれました。ここにチップが埋め込まれています。SamsungはDRAMを統合したことによって4倍の画像データを処理できるようになったと言っています。960 FPS でのスローモーションが可能です。いかがですか?
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やっとこの分解で最強ヘッドホンジャックが戻ってきました。(最近のスマートフォン分解ではヘッドホンジャックが搭載されていないからです。)これに付けられたガスケットがデバイスを液体や埃から守っています。ここがモジュール化されているので、修理する必要がある場合はこの部分のみの交換で済み、安価に済みます。
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同軸接続ケーブル、マイク、USB-Cコネクタと多数のバネ接合など、多目的な機能を備えたドーターボードアセンブリを掴みます。
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次に取り出すのは2番目のスピーカーですー受話口用ーこれはただのステレオではなく、”サラウンド”サウンドを可能にしてくれます。(スマートフォンで作り出せるレベルです)
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テーブルにマザーボードを広げて表側を見ると、主要なチップが搭載されています。
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Qualcomm Snapdragon 845に積層されたSamsungK3UH6H6-NGCJ LPDDR4X 6 GB DRAM
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東芝 THGAF4G9N4LBAIR 64 GB UFS (NAND フラッシュ + コントローラー)
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Avago AFEM-9096 フロントエンドモジュール
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Qualcomm Aqstic™WCD9341オーディオコーデック
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Maxim Integrated MAX77705F PMIC
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Qualcomm QET4100エンベロープトラッカー
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Maxim MAX98512 オーディオアンプ
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裏側には入りきらなかったチップが全て搭載されています。
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村田製作所 KM7N16048 Wi-Fi/Bluetooth モジュール
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NXP PN80T NFCコントローラ
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Qualcomm PM845 (おそらくPMIC)
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Qualcomm SDR845 101 (おそらくRF トランシーバ)
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Skyworks SKY78160-11WLAN フロントエンドモジュール
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Qualcomm PM8005 PMIC
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Skyworks SKY13716-1 ローバンドフロントエンドモジュール
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IC識別、パート 3:
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NXP Semiconductor PCAL6524 24ビットI/Oエクスパンダー
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ON Semiconductor FPF3688UCX ロードスイッチ
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Texas Instrumentsブーストコンバーター (おそらく)
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ON Semiconductor FAN48618BUC53X 1 A ブーストレギュレータ
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Vishay DG2730 2ポート, 480 Mbps USB 2.0 DPDTアナログスイッチ
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Richtek RT8010GQW 1 降圧型DC-DCコンバータ
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Texas Instruments TPS7A05 200 mA LDOレギュレータ
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IC識別, パート 4 (センサー):
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STMicroelectronics LSM6DSL 3軸加速度センサー/ジャイロスコープ
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AKM Semiconductor AK09916C 3軸電子コンパス
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STMicroelectronics LPS22HB 圧力センサー
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心拍センサー
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Ablic (旧Seiko Instruments) S-5712CCDL1-I4T1U ホールセンサー
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Semtech SX9320 近接センサー (おそらく)
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これはディスプレイを外すために作り出した、分解用のホットベッドです。しかし私たちの忍耐力はこの接着剤に試されており、結局、山のようなiOpenerを諦めて再度ヒートガンを使用しました。
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以前と変わらず、熱を加えてと開口ピックで対応できますが、壊れたスクリーンを交換するのは、ここにたどり着くまでマラソンのように大変でしょう。
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カメラ同様、Samsung製のディスプレイケーブルにはStarと表記されたラベルが付いており、ディスプレイとデジタイザは一つの密閉されたユニットの中に組み込まれています。
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ディスプレイに便乗した最後のチップがあります。
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Samsung S6SY761X タッチコントローラ (S8シリーズでも採用)
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Winbond W25Q80EWUXIE 8 Mbシリアル NORフラッシュ
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生体認証との対面です。
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画像の左側はS9+で、前年に見つけたパーツと非常によく似たものを見つけました。それは虹彩スキャナ、前面カメラ、赤外線照射器、近接センサ (おそらくAMS TMD4906)です。
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右側は分解されたiPhone Xで、 Appleの悪名高いノッチ(切り欠き)と言われる理由が分かります。前面カメラを含むFace IDハードウェア、赤外線ドット投射器、赤外線カメラ、投射イルミネータと測距装置がディスプレイに組み込まれています。
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S9+のレビューを考慮すると、Samsungがハードウェアのアップデート無しにアニ文字に飛び乗ったのはかなり野心的だったのかもしれません。
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41件のガイドコメント
Just like the S8 being called the “Dream”, the Note 8 was called the “Great” and the S9 is called the “Star.“ So yes, there are fingerprint sensors out there called the “Dream Finger,“ “Great Finger,“ and “Star Finger.“ Weird, yet hilarious.
Hey look at that “DREAM FINGER” right here on the S8 cable! Great info!
Lmao, I hope you understand your referring to the ribbon and not the entire sensor; I am not at liberty to correct you, but lookup the description of a fingerprint sensor from a genuine OEM authorized reseller
Yes, I do understand that I am referring to the ribbon, that’s why I called it a cable. It’s not a leap to assume that the cable is carrying the label for the assembly. Just like the “S9+” printed on the rear case represents the whole phone, not just the glass.
The sticky black webbing on the battery is most likely a thermal pad to assist with heat dissipation. An air gap, even a tiny one (microns) still acts as a poor thermal conductor.