はじめに
MicrosoftがSurface Pro7を世に生み出してから1ヶ月余り経ちましたが、さらに新しいSurface Pro Xを発売してMicrosoftが戻ってきました。これは修理しやすさが改善されたと噂されている新デザインモデルです。他のSurfaceモデル分解の過去から、再びあの大変な経験が先にあるのかと覚悟していました。しかしSurface Laptop 3の分解をした後では、少しだけ楽観的です。Microsoft、修理しやすいタブレットの時代を創出してください!私たちは準備ができています。さて、このモデルの内部には何があるのか見てみましょう。
さらに他にも分解ページや、舞台裏のコンテンツ、最新で最大のリペアニュースなどをご覧になられたい方は、iFixitのYouTubeチャンネルをチェックしてください。またInstagram、Twitter、Twitter日本語版をフォローして、分解の最新情報を手に入れましょう。もしくは、ニュースレターに登録してください (英語配信)。
必要な工具と部品
ビデオの概要
-
-
素晴らしいKickstandは別にして、このモデルには何が搭載されているのかあまりよく理解していません。でも、それは良いことです。これから分解するユニットは次のようなスペックです。
-
13インチ PixelSenseディスプレイ、 2880 × 1920 ピクセル解像度 (267 ppi)
-
Microsoft SQ1 3.0 GHz ARM プロセッサ(QualcommのSnapdragon 8cx上に積層)とMicrosoft SQ1 Adreno 685 GPU
-
8 GBのLPDDR4X RAM (オプショナルで16 GB)
-
置換可能な128GB ソリッドステートドライブ(25GBもしくはオプショナルで512GB)
-
5MPとWindows Helloフロント向きカメラと10MPリア向きカメラ
-
2つのUBC-Cポートと1つのSurface Connectポート (ヘッドホンジャックは明らかにProフェッショナルではありません)
-
Wi-Fi 5 802.11ac, Bluetooth 5.0, Gigabit LTE
-
-
-
先月発売されたSurface Pro 7は大部分がイテレーションでしたが、Pro Xは完全に再デザインされています。この数年間で初めてです。新モデル番号は1876です。
-
分解が必要な場合は、ここでまとめが見れます。私たちの分解メモに書かれた全てを網羅する、X線画像がCreative Electronより提供されました。
-
Pro 7と比べて、Pro Xは丸み帯びたコーナーと、より幅狭になった形状、そしてポートのセレクションが変更されました。
-
薄いプロフェッショナル向けWindowsタブレットを探している方は、USB-A ポートやMicroSDカードスロット、ヘッドホンジャックにお別れを言わなければなりません。USB-Cが未来にあるようです。
-
-
-
Kickstandを上げると、Pro Xには滑らかでカッコいいヒンジがあります。前モデルと比べると、厚みが削られたようです。
-
SIMエジェクトビットで、この(マグネットで固定された!)隠し扉を開けてみると…
-
Voilà! この下にあるのは、(T3ネジで固定された)SSDとSIMスロットです!
-
ちょっと待ってください、このSSDは見覚えがあります。Surface Laptop 3に搭載されていた256GBドライブと比較してみると、どちらも同じドライブを使用していることが確認できました。修理を考慮すると、スタンダード化は朗報です!
-
実験として、SSDを抜いたPro Xの電源を入れてみましたが、スイッチが入りません。起動するとは期待しませんでしたが、全く動きません。どうやら、Laptop 3と同じように、SSDを取り出すと自動的にバッテリーが切れるスイッチとして機能しているのではないでしょうか。
-
Laptop 3には隠れたネジが付いていましたが、このKickstandの下に留め金がありません。残念ながら、ここでは魔法のオープニング体験とはならないでしょう。iOpenerを準備して、この先にある頑丈な接着剤に向けて装備します…
-
-
-
まず初めに、わずかに(実際はそれ以上ですが)吸盤カップでスピーカーグリル付近のディスプレイを引っ張り、持ち上げます。
-
なんと、温める必要がありません!恐らくiOpenerの出番はありません。iMacスタイルで接着剤を切開していきます。
-
このディスプレイに留められたのは、粘着質たっぷりの接着剤ではありません!綺麗に剥がせます!
-
この修理しやすく、切断できるフォーム接着剤は、前モデルのSurface Proを含め接着剤で固定された大多数のタブレットと比べると大きく改善されました。熱を当てて、激しくこじ開け、その挙句にアクシデントでスクリーンが(高い確率で)ひび割れるという問題とも、喜んでお別れできます。
-
画像にはありませんが、分解チームは撮影テーブルの周辺で、祝いのダンスを踊りました。Surface Proがこんなにも容易く開口できる日が来るとは思いもしませんでした。
-
-
-
-
作業は比較的簡単であるものの、この開口方法にはハードルがあります。ディスプレイ底に沿って、フレックスケーブルが数本付けられています。私たちの開口ツールの通り道に、危険なほど近い位置に搭載されているのです。
-
接着剤を剥がす時は、魔法のように綺麗に剥がせて、作業は順調に進みます。これは私たちが願ってきた変化です。このようなスペースが限られた超薄型デバイスに接着剤を使用しなければならない場合、このようにするべきです。しかし、このやり方は内部スペースのあるデスクトップには適用されるべきではありません。分かりますか?なぜならそれは無駄なものだからです。
-
私たちの喜びは本物です。しかし、これらのディスプレイチップを識別するため、一度立ち止まります。私たちが確認できたのは、
-
Microsoft X904163 とX904169 ディスプレイドライバー
-
Winbond Q16FWUXB2 1921-681C DR80006
-
Analogix ANX2684 1920 C975AA
-
SiW SW50014A 8266631T 1844
-
SiW SW5077 J004370V 1920
-
-
-
私たちはPro Tech Toolkitで装備しているのに、ヒートシンクに留められたネジを外すのに必要なのは、たった1本のトルクスビットです。
-
これはMicrosoftがデザインを保った素晴らしい点の一つです。これまでのところ、使用されているネジは全てトルクスネジです。これは前モデルのSurface Proで、唯一のプラスポイントでした。新モデルも、トルクスネジしか使用されていません。
-
下はヒートシンクをサポートしている、面白い(まるで抽象アートのような)中間フレームです。ボードから取り出す前に、このアートの持つ意味について思い巡らします。
-
ヒートシンクと幾つかのシールド、そしてネジを取り出せば、マザーボードがスライドして出てきます。さあ、シリコンを探索する時間です!
-
-
-
これらが確認できたものです。
-
MicrosoftSQ13.0 GHz ARMプロセッサ
-
Samsung K3UH5H50AMJGCL 4 GB LPDDR4X RAM x2, 合計8 GB
-
NXP LPC54S00TJ EV180マイクロコントローラー
-
Macronix MX25U1635E シリアルNORフラッシュメモリ
-
Winbond 26Q256JW 256 Mbシリアルフラッシュメモリ
-
Qualcomm SDR8150 RFトランシーバーとモデム
-
Qorvo 78052 14CEM RF Fusion MHB
-
-
-
ボードの裏側にはあまり面白いシリコンがありません。しかし、奇妙なシルバーのジャンパーワイヤが巻きついています。ちょっと待ってください。これは、どうやら馴染みのあるもののようです。
-
一体何のためでしょうか?これがどこに配線されているか推測してみてください!
-
これは、シールドされたダイバーシティアンテナのようなものだではないかと考えます。接地されたアンテナの外側が、内部リード信号と交差する高周波を絶縁するためのものでしょう。ワイヤ上に貼られたステッカー”NEW SAM”は、おそらくSurfaceのAnntena Mount(アンテナマウント)としてラベルが貼られています。
-
NEW SAMはどんな意味にでもなり得ます。例えば、Super Activity MonitorやSilver Aerobic Mastor、Slippery Agile Meerkat、もしくはSoldifired Aerodynamic Meter...などきりがありません。NEW SAMの意味が推測できた方は下のコメント欄に残してください。
-
-
-
次に進んで、バッテリースペックを見ましょう!前モデルでは、非常に頑丈な接着剤と長時間にわたり闘いました。今回、バッテリーには触れないで、そのまま残しておきます。
-
他に残されたものは?Kickstandのヒンジ機構とケースボタン付近にあるモジュラーのUSBポートです。その反対側に搭載されているのがSurface Connectポートで、こちらもモジュールです。
-
Surface Proの分解に、これほど多くのモジュールという言葉が出てくるので驚きますよね。私たちもです!何度も深呼吸して、頬をつねりました。しかし夢ではないようです。
-
ただし、バッテリーだけは多量の接着剤を使うより、他の修理しやすい方法で装着されていればよかったのですが。次回に期待でしょうか?
-
-
-
ジャジャーン!皆さん、分解はここまでです。これがSurfaceの小さなパーツを全て寄せ集めたものです。
-
Microsoftは”修理しやすい”方面行きの電車に少なくとも片足を乗せたようです。Pro XとLaptop3のモデルで、修理に標準をあてた修正がここまで取り入れられているのは信じがたいほどです。
-
SSDは、ユーザー自身で交換できます。必要なのはSIMエジェクトピンとT3ドライバーです。スクリーンを取り出す必要もありません。このようなスリムなフォームファクターでこの結果は、素晴らしいことです。ボーナスとして、SSDはLaptop3と同じです。標準化されたパーツは、一般修理業者をサポートすることに繋がります。
-
タブレット、ディスプレイは修理しやすいフォーム製接着剤が使用されており、温めたり溶解する必要がありません。接着剤自体は好きではありませんが、タブレットでは十分に妥協できる代物です。
-
これら全ては、どういう意味をもたらすのでしょうか?このデバイスにリペアビリティのスコアを付ける時間です。
-
- ユーザー自身で交換が可能なSSDは、簡単にアップグレードができ、デバイスを破壊せずにデータセキュリティを確保できます。
- 使用されているネジは全て標準型トルクスネジです。
- 多くのコンポーネントがモジュールで、個別での交換が可能です。
- (ほぼ)全ての修理には、ディスプレイの取り外しが必須です。しかし熱を当ててこじ開ける作業が不要で、修理作業は改善されます。しかし、こじ開ける作業には注意が必要です。
- バッテリーは接着剤で頑丈に固定されています。バッテリーコネクタはマザーボードの下に繋がっています。バッテリーの交換には、デバイズ全体に近い解体が必要です。
まとめ
リペアビリティのスコア


(10点が最も修理しやすい指標です)
以下の翻訳者の皆さんにお礼を申し上げます:
100%
Midori Doiさんは世界中で修理する私たちを助けてくれています! あなたも貢献してみませんか?
翻訳を始める ›
26 件のコメント
You guys sound truly excited… So am I while reading this. A big win for the repair community and consumers as a whole!
Hey Andru! Sorry, the details may be a little murky amidst our excitement! Adhesive holds the display in place, but it’s a very nice foam adhesive that doesn’t require heat or excessive prying to separate. All the previous Surface Pro devices use a tacky adhesive that is very difficult to separate without damaging the display.