はじめに
2004年に登場した、あの象徴的なRazrフォンをまだ使っている方には良いニュースです。この世は”ポッドキャスト”が人気を集めている時代です。そして2004年に上映された”Mr.インクレディブル”は、既に続編が出ました。そしてついに新モデルRazrが登場しました。既に私たちは、この新Razrをポケットに入れた時の快適さ、ポケッタビリティを真面目に評価しました。次は、この分解のしやすさ、ティアダウンビリティを確認する番です。ツールを脇に置いて、この分解に参加してください!
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”他の”Motorolaモデルを楽しんでいる方は、Motorola専用のFixキットを購入することができます。(バッテリー は日本への配送ができかねます。) iFixitはMotorolaとパートナーシップを組み、正規パーツの販売をしています。
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必要な工具と部品
ビデオの概要
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私たちはリペアビリティばかり気にして、他の重要なスペック、例えば色精度などを見過ごしがちであると言う人たちもいますが、これは100%正解とは言えません。私たちが無視するスペックは他にも沢山あるからです。
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6.2インチ折りたたみ式プラスチック製 OLEDディスプレイ、2142 × 876 ピクセル解像度 (~373 PPI)
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2.2 GHzオクタコア Qualcomm Snapdragon 710プロセッサ、RAMは6GB
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内蔵ストーレッジ128 GB
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バッテリー容量2510 mAh
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16 MP, ƒ/1.7 デュアルピクセルオートフォーカスメインカメラと5 MP, ƒ/2.0セルフィーカメラ
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公式な防水防塵性能はありませんが、Motorolaは”防水機能付きナノコーティング加工により防沫性能がある”と公表しています。
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Razrにナイフ(もしくは鋭利でないプラスチックツールの先端)を当てる前に、 Creative Electronが提供してくれたX線画像を点検してみましょう。
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2つのX線画像上に、交互にカーソルを当ててみてください。デバイスが開閉すると、上下に動くコンポーネントの存在が確認できます。これらは開閉式OLEDディスプレイに搭載されているもので、デバイスを閉じた時に、ぴったりとデバイス顎の内側に装着します。
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一方で、このデバイスの頭脳部分はデバイス下側半分にあるようです。上側半分にはスクリーンの半分とバッテリー、カメラが搭載されています。
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詳細に点検してみると、折りたたみ式動作の中心にある連続ギアヒンジの内部設計を確認できます。 詳細は後ほど。
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その昔、Motorola Razrは巷で最先端を行くモデルでした。この新モデルRazrにはスクリーンやカメラ、スピーカー、搭載チップを含めて格段のアップグレードはあるものの、初代モデルと同じ滑らかな形状を保っているを見ると嬉しくなります。
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しかしながら、最新モデルはサイズも増えました!このRazrは、私たちが所有している2004 V3モデルと比べると35%幅広に、118%も重量が増加しました。思っていたよりはポケッタブルではないようです。
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ポケットはさておき、折りたたみ式動作を詳細に点検すると、両側のヒンジとディスプレイの間に小さな隙間があるのが確認できます。初代Galaxy Foldsを致命傷に導いた隙間と同じものではないかと頭をよぎります。
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最初のターゲットはRazr下側のリアカバーです。この折りたためるデザインとは裏腹に、このデバイスはいつものスマートフォンと変わりません。そこで、内部侵入するために温めたiOpenerを準備します。
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なんと温めるだけで内側が開きます!開口ピックをこの箇所に差し込めば、冒険が始まります。
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現代スマートフォンのイノベーションには感謝しますが、昔懐かしいプラスチックやメタル製のアクセスパネルをスライドしていた時代が恋しいです。
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全ての接着剤を切開したら、カバーが外れます。ちょっと待ってください!鋭い眼力を持った人であれば、ホームボタンの隣に、分解職人たちがうっかり切断してしまうのを待ちわびている指紋センサケーブルがあるのに気づくはずです。
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次はバッテリーです!このカバーの下にはそれ以外のお楽しみはありません。そのため、Quick Viewディスプレイを反対側から外します。大量の接着剤が使用されていますが、なんとか取り出せます。
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外側ディスプレイが外れました。まず現れるのが2番目のバッテリーです。最初のバッテリーはデバイス下側半分で外されるのを待っていましたが、2番目のバッテリーは上部半分がケーブルの裏に隠されています。
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バッテリーの上に搭載された16MPメインカメラが私たちを睨み返してきます。近頃のスマートフォンでは、1つしかないメイン/リアカメラを見ることが珍しくなりました。Motorolaはこのモデル開発に費やした4年間を、カメラ以外のことに集中していたことが伺えます。
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この手順で使用する道具:Mako Driver Kit - 64 Precision Bits$39.95
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これまでの所、解体作業は比較的順調に進んでいます。次に開閉可能なディスプレイの内側に突入します。失敗しないと良いのですが、これまでの所、便利なMakoキットを使って数本のトルクスネジしか外していません。
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イソプロピルアルコールの助けを若干借りて、2つあるうちの1つのバッテリーが外れます。(バッテリー容量は4.7Whで、わずか2.6mmの薄さです) しかし、詳細は後ほど説明しましょう。いまはシリコンタウンに繋がる近道を通っているからです。
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このレース途中でピットストップするもう一つのパーツは、栄光のマザーボードです。振動モーター(いたって普通のコイン型)を取り外すと、珍しいヌルッとしたものがあります!
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この粘着性は、誘電体グリース(通常は車両に使用されている)と同等のものだと思われます。そして基板に防水性能を加えるなら、安価でできる代替方法です。
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マザーボードを掘り起こしてみると、ある徹底的なシールド戦術が敷かれています。この下にはどんなお宝が隠されているのでしょうか?
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Qualcomm SDM710 Snapdragon 710プロセッサ
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Samsung KM2V7001CM 6 GB LPDDR4 memory and 128 GBストーレッジパケッジ
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Skyworks SKY 78185-11 Low Band 2G/3G/4Gモジュール
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Skyworks SKY 78187-11 High Band 2G/3G/4Gモジュール
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SDR660 003 無線IC
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Qualcomm PM670 & PM670A パワーマネージメントIC
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Qualcomm WCN3990 WiFi 802.11ac, Bluetooth LEとFM SoC
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pOLEDディスプレイを取り出すと、これにバッテリーが一緒に付いているので、少し凹みます。バッテリーがメタル製キャディー内に搭載されていたとしても、バッテリーの交換目的で、このフレキシブルなシートに向けてツールでこじ開けるのは理想的ではありません。
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手順9にして、やっと2つのバッテリが取り出せました。この黄色の長方形バッテリーパックの容量は1265mAh、4.8Whで、先に取り出したウェハースのように薄いバッテリーの容量4.7Whと比べるとわずかに大きいです。
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Motorolaが公式発表しているように、バッテリー容量は合わせて2510mAh、9.7Whです。Galaxy Foldのバッテリーのうち1つ分の容量とRazrのバッテリー 2つ分を合わせた容量が同じです。巨大なL字型バッテリーを搭載したiPhone XS Maxの容量は3969mAh、15.04Whもあります。
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pOLEDディスプレイ(伝えられるところによると、LGディスプレイのテクノロジーを駆使したBOEスクリーン)に関して未だ謎の部分が多いですが、あるSamsungのテクノロジーが搭載されているのを見つけました。
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Samsung S6SY77CX ( Samsungの人気タッチコントローラーのイテレーションの可能性)
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GigaDevice GD25LQ40C 512 KBシリアル NORフラッシュメモリ
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pOLED ディスプレイドライバ
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通常のスマートフォンの分解では見られないものを披露しましょう。メカニカルパーツです。すごいです!
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Razrの折り曲げる機能は、連続ギアを使用したヒンジにキャットヘッド(Cathead)カム、2つのサポートプレートと数本のバネから構成されています。
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Motorolaの特許からカムとサポートプレートが連動して、脆いOLEDディスプレイを保護していることがわかります。デバイスが開いた状態の時は、ディスプレイが弛まないようにサポートします。デバイスが閉じた時、カムとサポートプレートが退き、(ディスプレイに折り目がつかないように)折り目中央にできる中心部の直径が大きくなります。
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X線画像でヒンジ周辺を詳細に見ると、連続ギアとフレームの各両側に埋め込まれたバネがあるのを確認できます。
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Motorolaのノスタルジアに満ちた待望のRazrは、私たちが分解した中で、最も複雑構造をしたデバイス賞が与えられます。Motoが様々なエンジニア技術を、このアイコン的モデルに仕込んだことに感銘しています。
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修理サービス賞はありえませんが、非常に難易度の高いプロジェクトにも関わらず、この不可能だと思われたギズモが存在しているのです。そのため、この初代モデルのリペアビリティのスコアが0であったとしても驚きません。この分解を通じてデザイン工程を見れるのは楽しいものです。
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私たちはGalaxy Foldにリペアビリティをつけた方法でスコアを付けますが、これは初代モデルのデザインだということを理解しています。機能とリペアビリティが同時に起こるとは期待すべきではありません。
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この折り曲がるスタイルのスマートフォンブームは、しばらく続くでしょう。Samsungはつい先日、Galazy Z Flipを発表しました。願わくば、製造メーカーたちは、なるべく早い段階で、耐久性と修理のしやすさ双方を高めればよいのですが。とにかく、高額ですから…
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以下の翻訳者の皆さんにお礼を申し上げます:
100%
Midori Doiさんは世界中で修理する私たちを助けてくれています! あなたも貢献してみませんか?
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8 件のコメント
Nice teardown! Wonder if this “folding phone” thing will stick around for long…
spinning left :)
Man, convincing my brain to get the image to spin backwards hurts. I was able to see the phone spinning backwards (while actually looking at it directly) when the phone was facing away. If I was only just barely looking at it from the corner of my eye, I could get the entire thing spinning in reverse.
Let’s just say that the brain interprets the reverse spinning very oddly, so the phone looks like it is warping around the edges while it is spinning.
If you somehow manage to fold it backwards, I applaud you, because you just wasted yourself $1500.