100,000種類の修理ガイドと2023年コミュニティのマイルストーン
修理テック

100,000種類の修理ガイドと2023年コミュニティのマイルストーン

iFixit 2023の総括: コミュニティ


2023年が終わりに近づき、私たちはiFixitコミュニティに焦点を当てたハイライトを紹介します。この一年で、私たちがどれほど世界中に世界を広めるための献身をしてきたか、皆さんにお分かりいただけると思います。

このコミュニティはiFixitの命脈です。私たちは世界中の人々にあらゆる物を修理する方法を届けていますが、修理すべき物は果てしなくあり、その数は拡大する一方です。世界中の修理をこよなく愛する人々が修理ガイドを執筆して、修理に関する質問に答え、多言語で作成された修理ガイドを翻訳し、様々な修理ノウハウを共有していなかったら、私たちは目標からはるかに遠くにいたことでしょう。

しかし、私たちが達成した2023年のマイルストーンは、iFixitの20周年アニバーサリーを祝い10万種類の修理ガイド公開を達成したことです!さらに、私たちが祝う理由は他にも沢山あります。

世界中のiFixitコミュニティは、何百万人ものユーザーで構成されており、今年はその数が約20万人増えました!これは、修理がより多くの家庭や地域で浸透し始めていることを示し、地球と財布にとって素晴らしいことです。私たちが修理をすればするほど、壊れやすくチープな設計のものにお金を費やさなくなります。

2023年12月18日時点での修理ガイド統計データ

今年、iFixitユーザーは総数23,603の修理ガイドを参照して、自分たちの修理を完了しました!約24,000人のユーザーが修理ガイドを検索してiFixitサイトを訪れ、約24,000台の電子製品や家電製品を廃棄物処分から救いました。しかし、この数は氷山の一角に過ぎません。これはiFixitのアカウントを持ち、修理ガイドの最後に青い「修理完了ボタン」をクリックした数のみをカウントしています。つまり、修理ガイドを参照して何かを修理したものの、iFixitアカウントを持っていない「潜在的なユーザー」は含まれていません。


また、アンサーフォーラムを使って修理に関する質問をするユーザーも増えました。今年、合計で2万2,000以上の質問が寄せられました。何かを修理する方法について質問することは、修理するために必要な、最初のステップです。私たちはそのような質問を受け入れ、様々な質問に応えてくれる、便利なアンサーフォーラムを提供しています。しかし時には、何かが壊れた時、どのような質問をすべきか分からないことがあります。単にうまく動作していないことしか、分からないからです。

冷蔵庫のコンプレッサーが冷えない場合のトラブルシューティングのページ

だからこそ、修理のプロたちによって作成された新しいトラブルシューティングページ228を発表しました。これらのシンプルな点検と修理を行うだけで、今ある問題を解決できるかもしれません。以下は、私がお気に入りに入れている、トラブルシューティングページです:TVからサウンドは出るが画像が表示されない冷蔵庫のコンプレッサーが動作しているが冷却されないiPhoneのバッテリーが急速に消耗するNintendo Switchのブルースクリーン…など。これらのトラブルシューティングページには、Googleからの148,000人の訪問者が利用し、その多くが初めてiFixitを知った人たちです。

2024年には、これに似たトラブルシューティングページがさらに増えることを期待してください!

スペイン語圏コミュニティは、今年、英語以外で最も急成長した言語コミュニティです。そのため、私たちは(Mobile Social Congressの一環として)バルセロナでコミュニティメンバーたちとの交流会を開催しました。

iFixit in Kodawarisan.


また、韓国語がiFixitのサポート言語リストに追加されました!そして、冬学期にローマ大学との初の翻訳コラボレーションを開始しました。これは非常に将来が楽しみで、刺激あるパートナーシップです!

日本語ローカライゼーションリードの Midori Doiは、来年夏まで日本に滞在予定です。iPhone修理専門の修理ネットワーク、アイサポは、iFixitが目指す修理する権利に賛同し、リペア革命を日本でも起こすべく、初めて連携を行いました。アイサポは修理を進めることにより、CO2削減を進め、カーボンオフセットを目指しています。私たちが日本の大規模修理ネットワークと連携すれば、修理する権利がより広範囲に浸透していくことでしょう。これは私たちにとって願ってもないことです。私たちの活動に賛同していただける修理専門ショップ/ネットワークがあれば、ぜひお声がけください。

Green Work 白馬での分解ワークショップ(画像提供:新東通信) 

年々、減っていく降雪量によって、村の観光資源に大きなインパクトを受けている長野県白馬村は、山の気候を通して気候変動の影響を目の当たりにしています。そのため、白馬村民や地元の関連事業者、村外のパートナー企業が、白馬の大自然と共生するためのサーキュラーエコノミーを促進しています。毎年、開催されているGreen Work Hakubaのイベントで、私たちは物が壊れた時、修理を一番最初の選択肢とすること、今ある電子製品をメンテナンスしながら長く使い続けることを啓蒙するために分解ワークショップを行いました。修理ガイドを読む人、部品を管理する人、実際に分解する人などグループで役割分担をしながら協力し、与えられたタスクを実行していきます。修理ガイドと適切なツール、協力者がいれば、修理は上手くいくという自信が芽生えました。様々な職種、企業から集まった参加者たちは、分解を通じて修理しやすい設計、リペアビリティについて考えるきっかけとなりました。

また私たちは修理をしながらものを長く大切に使い続けることを、次世代に伝えるため、白馬インターナショナルハイスクールの学生たちや愛知県蒲郡市で行われたサーキュラーエコノミーチャレンジに参加した小学生たちに分解ワークショップを行いました。子供達が目を輝かせながらドライバーを手に取り、未知の世界である電子製品内部を覗く時、そこには恐れや不安はなく、自分たちの手で電子製品の小さな部品に立ち向かう強さが垣間見れました。

前回iFixitのイベントを日本で行なったのは、2017年。6年を経て大きく変化したことは、社会がiFixitに期待していた最新テック情報、iPhone分解といった電子製品のテクノロジーを紐解く面白さといった話題から、今や環境問題と修理がサーキュラーエコノミー中で繋がりはじめ、修理する権利の話題や関心度が強くなってきたことです。また、修理する権利が日本の社会でも認知され始めてきていることを実感しました。このような分解ワークショップにご興味がある方は、ぜひご連絡ください。

iFixit全体として、コミュニティの成長を助けるために、7人の新しいモデレーターを迎えました!活躍する彼らの数が増えると、修理を始めたいユーザーの動向を見失わないように注視できたり、スパマーの魔の手から守ったり、全体的により利便性が高まります。モデレーターの皆さんに感謝します

コミュニティメンバーのBen Capehart氏から投稿されたRepair-O-Lanternのパンプキン

また、今年は6つのコンテストを実施し、人々に修理を奨励しました。誰にでも楽しんでもらえる企画で、アンサーフォーラムの質問に答えるのが好きな人にはRepair-A-Thon、人に自慢できるようなクールなプロフィールをお持ちの方にはShow-and-Tell、そしてこのハロウィーンにはRepair-A-Thonコンテストを行い、修理テックたちがクリエイティブな一面を発揮しました。私たちの翻訳コンテストは、修理情報を他言語に広げるのに役立ち、その過程でiFixitの森に木を植えるプロジェクトも実施しました。

追加:今年最も長く続いたコンテスト「リペア・ヒーロー・オブ・ザ・イヤー」は2023年12月31日に終了します!いくつかのコンテストは毎年再実施され、新しいコンテストも登場するので、コンテストのページにご注目ください。

本当に、私たちのドライバーの底から、可能な限りものを長く使えるように、そしてこの修理にクオリティを置くユーザーの皆さんができる限り修理を続けられるように、一人一人の皆さんがiFixitに貢献してくださった、全てのアクションに感謝します。

2024年もどうぞよろしくお願いします。 ?