小さな落雷
静電気放電(ESD)とは、帯電した2つの物体間で急激に電気が流れる現象です。空から落雷が鳴り響くのも、ショッピングカートに触れた際にパチッと音がするのも、ESDはありふれた自然現象です。
ESDの発生は通常無害であり、最新の電子機器はESDに対してかなりシールド/強化されています。しかし、ESDが敏感な部品を損傷し、デバイスの不安定化や故障につながる可能性は依然として残っています。ESDによる損傷は追跡や診断が困難であるため、そもそも防止することが望ましいのです。
ESDの原因は?
通常、静電気がESDの主な原因となります。床の上を歩いたりセーターを脱いだりすると、摩擦電気効果により体に電荷が蓄積されます(triboelectric effect)。この電荷は空気中を放電しますが、湿度が高いほど放電は速くなります。帯電状態が低い導電性の物体(多くの場合、接地された物体)に近づくと、バチッ!と静電放電が起こります。
放電が発生すると、火花が見えたり、パチッと音が聞こえたり、ピリッと衝撃を感じたりすることがありますが、必ずしもそうなるとは限りません。平均すると、放電が2,000ボルトを超える場合にのみ、ESDの発生を感じることができますが、それ以下の電圧のESDでも、部品に損傷を与える可能性があります。
ESDリスクを最小限に抑える方法
ESDを最小限に抑える主な方法は2つあります。:
1. 帯電をそもそも発生させない。
2. 残留電荷を放電させる「制御放電経路」を確保する。
ESDを最小限に抑えるための実用的な方法をいくつかご紹介しましょう。
- 指輪、腕時計、ブレスレットは指や手首から外す。
- 新しい部品は、取り付ける準備ができるまでは、ピンクまたは銀色の袋に入れたままにしておく。
- 新しい部品が入った袋はすべて、作業前に静電気防止マットの上に置きます。
- 修理を始める前に、金属製の固定具に触れて放電します。これは、固定具の帯電電位が作業者よりもはるかに低いことがほとんどであるため、効果があります。
- 作業に取り掛かる前に、袋に入れた新しい部品をすべて静
- 接地された(静電気防止マット)と静電気防止リストストラップを使用して、ESD対応の(作業場)を確保してください。
- ESD対応の作業服を着用してください。電子機器の作業中は、ポリエステル製の衣類(ジャージなど)を着用しないでください。ポリエステルは静電気を蓄積する格好の場所となります。
- ビニール、発泡スチロール、プラスチック(ESD対応の作業用具を除く)を作業環境に持ち込まないでください。
- ESD対応の静電気防止手袋を着用してください。指から出た天然オイルは、電子機器内の小さなIC部品や導電性接点に簡単に付着します。そうなると、意図せずに余分な抵抗や短絡の可能性が生じます。
注意: ”ESD対応の手順では、CRTディスプレイや電源コンデンサからの高電圧放電から身を守ることはできません。”
ESDツールの仕組み
ESD安全マット
ESD安全マット は、電気抵抗率が高く、導電率が低い素材でできています。マットを接地すると、電荷をゆっくりと制御された速度で放電します。マットが接地されていない場合、その上の機器を絶縁し、周囲への予期せぬESD を防止します。
ESD安全リストストラップ
ESD安全リストストラップ は、ユーザーの腕から地面まで導電性の高い抵抗経路を形成します。リストバンドの生地には導電繊維が織り込まれており、その導電経路には抵抗器(通常は1MΩ)が組み込まれています。リストバンドを接地すると、電荷がゆっくりと制御された速度でワイヤーを通じて放電されます。「リストバンドは接地されていなければ意味がありません。」
ESD安全ツール
ESD安全ツール(当社のピンセットや スパッジャーなど)は、非導電性であるか、または高抵抗コーティングが施されています。これにより、工具が放電経路となることを防ぎます。
追加情報
Blog: ESDとは? サイレントキラーか、それとも神話上のブギーマンか?
以下の翻訳者の皆さんにお礼を申し上げます:
100%
Midori Doiさんは世界中で修理する私たちを助けてくれています! あなたも貢献してみませんか?
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1件のコメント
With metal cased equipment such as desktop PCs the best antistatic procedure by far is to make sure that you are touching the metal parts of the chassis.
Alan Liefting - 返信