はじめに
iPhone 13は、外見上は若干のアップデートがされているように見えますが、その内側には何かもっと大きな改良が潜んでいる気がします。発売日当日に行われた 13 Proライブ配信ではデバイス内部をざっくりと覗いてみましたが、今回はiPhone 13 Proをもう少し深く掘り下げて、どんな秘密があるのかを探ってみましょう。
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必要な工具と部品
ビデオの概要
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13の通常モデルとMiniモデルにはこの最新テクノロジーの一部が搭載されていますが、iPhone 13 Proにはこの全てが搭載されています。
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新しい5コアGPUと6コアCPU、16コアNeutral Engineに対応したA15 Bionicチップ
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6.1インチ(2532 x1170ピクセル)、ProMotion搭載Super Retina XDR OLEDディスプレイ
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超広角アングル (ƒ/1.8)、広角アングル(ƒ/1.5)、3倍望遠(ƒ/2.8)カメラを搭載した12MPトリプルカメラシステム、LiDARモジュール付き
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6GBのRAMと128GB容量(最大1TBまで拡張可能)
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Sub-6 GHz 5G(アメリカモデルではmmWave対応)、Sub-6 GHz 5G、802.11ax Wi-Fi 6, Bluetooth 5.0, Ultra Wideband, NFC
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最大15WのMagSafeワイヤレス充電
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IEC602529にもとづくIP68等級
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13 Pro Maxと比べると、この小さなProモデルは分解にちょうどよいサイズです。しかしサイズが重要ではありません。大切なのはこの内側です!
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1mmでも多くのスペースを確保するために、両モデルにL字型バッテリーが搭載されているのがわかります。このバッテリーを最初に見たのは、iPhoneのモデル名にアルファベットが使用された時から始まりました。
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イメージセンサー、小型のロジックボードと幾分小さくなったTaptic Engine用のスタビライザーマグネットが見えますが?
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ラッキーナンバー13の外観をみると、去年モデルに比べて若干厚みを帯びたように見えます。カメラバンプが大きくなりすぎたため、平面上に載せるとまっすぐ水平に置くことができません。実はiPhone 12モデルも同じでした。
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この数週間、12 Proでこじ開け方を練習していて報われました!13 Proは私たちが手慣れているオープニング方法を引き継いでいます。本のページを開くように、ディスプレイが先に外れます。でもこの本は粘着性が若干強いですが。
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内部を開けた途端、サプライズを見つけました。そしてカッコいいラベルが付いています。まるで私たちに披露するのを待ちわびていたかのようです。
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まず最初にデジタイザとディスプレイケーブルが繋がっています。上部センサーケーブルは本体上部で独立して接続しています。(しかし恐ろしいほど薄くて短いケーブルです)
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Taptic Engineは12 Proよりも小さく見えますが、実際には大型化されています。12 Proでは4.8gで764.27 mm³の大きさに対して、新モデルでは6.3gに 869.4 mm³と肥大化しました。
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12 Proと13 Proの違いを点検しましょう。まず初めに、ディスプレイに繋がっていたイヤホンスピーカーが廃止されました。ディスプレイの交換はやり易くなりますが、逆にイヤホンの交換は面倒になります。(詳しくは後ほど)
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そして2つ目は、ケーブルが1本廃止されました。(実は、12 Pro Maxでも1本無くなっていました!)
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13 Proでは、Face IDのフラッドイルミネーターとドットプロジェクターがシングルモジュールに統合されたことにより、ノッチ™の幅が12 Proに比べて20%狭くなっています。(詳しくはのちほど! このパターンに気付きましたか?)
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見てください!私たちでもできました!LiDARモジュールが、より大きく頑丈になったトリプルカメラを覗き込む様子を、シネマティックモードで撮影しました。
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iPhone 13 Proのカメラモジュールは12 Proに比べて明らかに重厚で頑丈ですがレイアウトは同じです。それならばアップグレードしたことをどうやって周囲に見せびらかせるでしょうか?つまり買い替える必要は…ないということでしょうか?
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このカメラバンプが大きくなったのは納得です。これらのカメラレンズは少しでも多く採光できるように厚さが増しているのです。限りなく到達できるところまで伸びていくのです!
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この手順で使用する道具:Moray Driver Kit$19.95
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Moray Driver Kitを使って、ラウドスピーカーとタプティックエンジンを外してから、バッテリーを取り出します。
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シンプルでミニマニストな印字は、簡単でミニマニストな取り外し作業を模倣しているのでしょうか。ストレッチしてリリースする接着タブをこれ以上褒めることはできませんが、タブへのアクセスがもっと簡単になればと願います。
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iPhone 12 Pro (と標準モデル)に搭載されている10.78Whのバッテリーと比べて、この大きなL字型バッテリーには容量11.97Whと表示されていますが、標準モデルの長方形バッテリーの容量12.54Whには届きません。
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しかしiPhone 12 Pro、13、13Proを合わせた3機種は、Xiaomi Mi 11のバッテリー容量17.8Whには届きません。ましてやSamsungは言うに及びません…。
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今年の新モデルは他モデル間でのバッテリースワップができないのではないかという噂がありましたが、初期段階でのバッテリー交換テストではすべて成功しています!
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相変わらずAppleは脅し戦略を続けているので、バッテリーの交換後、警告通知が表示されます。しかし脅しに屈せず勇気を持って、修理を続けましょう!
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今年の積層型ロジックボードはさらに小さくなり、残念ながらSIMカードリーダーはボードに半田付けされています。いずれにしても、どんなチップが搭載されているのか確認してみましょう。
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6GBのSK Hynix LPDDR4X SDRAMに積層されていると思われるApple APL1W07 A15 Bionicチップ
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Apple/USI U1 超広帯域チップ
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Apple APL1098 パワーマネージメントIC
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Skyworks SKY58276-17 フロントエンドモジュール
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Skyworks SKY58271-19 フロントエンドモジュール
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Apple 338S00770-B0 パワーマネージメント IC
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STMicroelectronics STB601A05パワーマネージメント IC
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ここで熱いホットエアーを吹きかけると、サンドイッチ状のチップ内部が乖離して姿を現します。
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128 GBのKioxia NAND flashメモリ
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Qualcomm SDX60M 5G モデム
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おそらくQualcomm SDR868 5G RFトランシーバー
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USI 339S00761 WiFi/Bluetoothモジュール
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Broadcom AFEM-8215フロントエンドモジュール
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セキュアエレメント搭載のNXP Semiconductor SN210V NFCコントローラー
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これでもチップIDに満足できないという方は、iPhone 13 ProのチップIDをまとめた完全版ガイド をお楽しみください。
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デバイス上部には、再配置されたイヤホンスピーカーが確認でき、可愛らしい小鼻が付いています。このスヌートは、フロントカメラとFace IDハードウェアの間に搭載されていて、ディスプレイ上部からサウンドを出すチャンネルに繋がっています。
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シンプルなスプリングコンタクトの使用は良いのですが、スピーカーに付けられたスタンドオフネジのうち1本がロジックボード下に挟まっています。スピーカーを交換する場合、ロジックボードを外さなければなりません。この周辺のレイヤーは修理にとってかなりの鬼門です...。
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スピーカーのケーブルもイヤピーススピーカーもロジックボードの下を通っているため、せっかく新Notch™が縮小していてもフロントカメラハードウェアへのアクセスは容易くありません。しかし、やっとのことで到達できました!
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メインパーツをすべて取り出した後、ケースのメタル部分に切り欠きが入ったパーツを発見しました。これは超広帯域アンテナではないかと推測します。こんにちは、Find My!
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フロントカメラモジュールを見ていきます。ドットプロジェクターの位置がモジュールの端から中央に移動しましたが、ここにはちょっとした秘密も含まれています。
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以前はディスプレイの一部であり、Face IDに欠かせないコンポーネントであるフラッドイルミネーターは、新デュアルパーパスモジュールに統合されています。
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ディスプレイアセンブリがFace IDハードウェアから独立したことで、以前と比べてディスプレイとFace IDの交換が容易になるのではと思われるかもしれません。そうですよね?でもちょっと待ってください。
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ただし交換後の新しいディスプレイ上に、あまり好意的でない”重要なディスプレイメッセージ”が表示され、”部品とサービス履歴”に非正規の部品という記録が残ります。
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見た目は見慣れたスマートフォンの中に新しいテクノロジーが数多く搭載されていました!これまでの分解で確認できたものです。
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高/可変リフレッシュレートテクノロジーと、OLEDとタッチレイヤーの統合という、1つどころか2つのアップグレードが実現した新ディスプレイです。
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上部スピーカーを移動させたことでディスプレイ交換の複雑さが軽減し、より小さなノッチ用のスペースが確保できました。
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Pro Max以外のモデルに、あのL字型バッテリーの搭載が復活しました。
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修理する権利が侵害される、壊滅的なパーツ互換性となりました。
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以上のことを踏まえて、iPhone 13 Proのリペアビリティスコアはどう出るでしょうか?
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- ディスプレイとバッテリーの交換は、新iPhoneデザインの中で優先的に反映されています。
- 多くのコンポーネントがモジュールで、アクセスと交換が簡単です。
- 使用されているネジの種類が多いため、修理は必要以上に手間となりますが、少なくとも接着剤の使用はありません。
- 高い耐水性能によって修理作業は複雑となりますが、高額な液体ダメージの発生は少なくなるでしょう。
- ガラスが二重になっているということは、落下によるダメージも2倍になります。耐久性は年々向上していますが、リアガラスを簡単に交換する方法はまだありません。
- ソフトウェアのペアリングは、多くの修理を不必要に複雑にし、第三者による修理の信頼性を損なわせます。Apple独自のキャリブレーションツールを使用しないで修理した場合、デバイスに備わる機能が低下します。
まとめ
リペアビリティのスコア


(10点が最も修理しやすい指標です)
以下の翻訳者の皆さんにお礼を申し上げます:
100%
Midori Doiさんは世界中で修理する私たちを助けてくれています! あなたも貢献してみませんか?
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55 件のコメント
The Taptic engine is getting smaller. Does that mean heavier rare-earth elements are used? Thank You very much!
It also noted it got larger, which it can do whist having a smaller footprint because the iPhone 13 is thicker than the iPhone 12.
If you get a ratio for the volume v weight, you get 159cmm per gram for the iPhone 12 Pro and 138cmm per gram for the iPhone 13 Pro so if anything it has less heavy metals as a ratio of its total volume.
iPostIt -
Thank You, Chris!
Check out out the X-ray out the 12 pro vs the 13 pro and you’ll see a major difference.