はじめに
iPhone 11 Pro Maxの発売に伴って沸き起こる、様々な噂は勢いを増しています。そして、私たちは噂の真相を確かめるためにいます。RAMの容量は?双方向ワイヤレス充電とは?どうやってバッテリー駆動時間が延ばせたのか?誰も答えは分かりません。この答えを探すための分解に参加して、デバイスのミステリーな深層を紐解いていきましょう!
追記' こちらから6.1インチ iPhone 11の内部情報をご覧ください。
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必要な工具と部品
ビデオの概要
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iPhone 11 Pro Max についてはさまざまな噂が飛び交っていますが、我々が知っているのは次の通りです。
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A13 Bionic チップ、第3世代のNeural Engine
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6.5インチ (2688 × 1242) 458 ppi Super Retina XDR OLEDディスプレイ、 True Tone とHDRディスプレイ (3D Touchなし)
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トリプル12MPリアカメラ(超広角、広角、望遠)とTrueDepth FaceIDハードウェア搭載の12MPセルフィーカメラ
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64GB容量(オプションで256 GBと512 GB)
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ギガビット級LTE、Wi‑Fi 6、Bluetooth 5.0、NFC
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IP68等級
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先に進む前に、お馴染みの友達Creative Electronに少し助けを借りました。X線パワーを行使すれば、先に待ち受けているものを垣間見れます。
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眺めて楽しんでいただけるように、左からiPhones XR、中央にXS Max、右に11 Pro Maxを並べました。
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X線によるシースルー画像から分かる、初見をまとめました。
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11 Pro Maxのバッテリーは、iPhone XSに搭載されていたシングルセルバッテリーのように見えます。もしそうだとすれば、Maxモデルに初めて搭載されたことになります。
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Appleは今回もまた、ロジックボードの面積を削ぎ落としたようです。巨大な3眼カメラアレイを搭載するには、スペースが必要だったのでしょう。
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最後に重要なことを。バッテリーの下にミステリアスな新ボードが搭載されているようです。
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今年のiPhoneには本体中央に若干の、カメラ周りに多量の、特別な素材が使われています。
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少なくとも、このiPhoneのカメラの傾斜した縁が背面と上手く調和しています。
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さらに重要なことは、今回の分解に選んだiPhoneは、最新カラーのミッドナイトグリーンです。
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この緑のマシーンに突入する前に2点ほど述べさせてください。新しく中央に付けられたAppleのロゴマーク、そして新モデル番号(A2161)は、SIMトレイ口の内側に記されています。
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この手順で使用する道具:Marlin Screwdriver Set - 5 Precision Screwdrivers for iPhone$19.99
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新しくて格好いいiPhoneは、従来とほぼ同じ開口方法でねじを緩めます!
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新モデルのペンタローブネジには、新登場のiPhone専用Marlin ドライバーセットからP2ドライバーを使用しました。
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このプロフェッショナルでマキシマムなiPhoneが搭載している巨大なL字型バッテリーの内側を確認する時間がきました。そして2本のバッテリコネクターがついています。これは新しいですね。
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いくつか検証した結果です。
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デバイスは充電ポート側が接続されていなくても、機能します。(再接続すると、高温に対する一時警告が表示されます)
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下側ケーブルの接続を外しても、デバイスはLighting ポートで充電できます。しかし、ワイヤレス充電コイルには対応しません。
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ロジックボードに繋がっているメインケーブルの接続を外すと、デバイスは通常通りシャットダウンします。そして再起動しません。もう一方のケーブルを接続していても、同じ結果です。
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スマートフォンメーカーは、画質を向上させるソフトウェアマジックに傾向しています。しかし、今年のAppleは、カメラのハードウェアに労力を費やしました。
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最大のアップグレードは超広角センサー/レンズですが、標準の広角と望遠もISO感度とシャッタースピードが改善されました。フロントカメラも僅かながら解像度が高くなりました。
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カメラの詳細については、Halideがブログで書いています。
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Face IDセンサーアレイにも、改良が加えられています。フロントカメラは7MPからジャンプして12MPです。そして、昨年モデルではバッテリーの下に閉じ込められていたケーブルが、これまでで一番簡単、すぐに取り出せる配置に変わりました!
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この手順で使用する道具:Marlin Screwdriver Set - 5 Precision Screwdrivers for iPhone$19.99
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iPhone専用Marlin Driver Setを使って、奇妙な正方形に近いボードからスタンドオフネジを外します。
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iPhone XS搭載のロジックボードは、アイダホ州のシルエットをしていますが、iPhone 11 Pro Maxの形状はコロラド州へと縮小しました。それでもこのボードは高密度です!
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2度見しているのでしょうか?ご心配なく。皆そう思っています!iPhone 11 Pro Maxのボードは、iPhone 11 Proのものと構造が非常によく似ています。
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本当に同一のボードでしょうか?検証結果が分かり次第、お知らせします…。
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これまでのところ識別できたのは以下のとおりです。
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SK Hynix H9HKNNNCRMMVDR-NEH LPDDR4Xに積層されたApple APL1W85 A13 Bionic SoC (おそらく4 GBですが、確定にはSK Hynixデコーダーのアップデートが必要です。)
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Apple APL1092 343S00355 PMIC
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Cirrus Logic 338S00509 オーディオコディック
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表示のないUSIモジュールー分解アップデート:ここに隠されているのは、Appleの新U1 超広帯域チップであると判明しました。こちらのブログポストに詳細が書かれています。
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Avago 8100 中/高帯域 PAMiD
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Skyworks 78221-17 低帯域 PAMiD
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STMicrolectronics STB601A0N パワーマネージメント IC
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最後に登場する大トリです。ボード上層に搭載されているチップです。
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東芝 TSB 4226VE9461CHNA1 1927 64 GB フラッシュストーレッジ
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YY NEC 9M9
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これらのチップに加えて、RFボードに付けられたグラファイト製サーマルトランスファーの多層レイヤーを剥がします。
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サーマルデザインの改善によって、iPhone Proは”iPhone史上、最高のパフォーマンスを維持できる”とAppleは述べています。それはロジックボードから生じる熱を、このグラファイト製レイヤーに直接逃して、リアケース内部に拡散させているからです。
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これは複数のAndroidのスマホに搭載されている、液体冷却システムのような特殊技術ではありませんが、RFボード間を行き交う信号を干渉させずに、高性能なA13チップを冷却するには十分です。
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どうやら今年のAppleでは、大きいものが流行っているようです。iPhone 11 Pro Maxのバッテリーは3.79 V/ 3969 mAh、総容量15.04 Whです。XS Maxのバッテリーより2.96 Whも増えました。Galaxy Note 10+ 5Gのバッテリーより1.52 Wh少ないことになります。
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どこでこの巨大なパワーが生まれるのでしょうか?バッテリーの厚みは4.6 mmで、体積23.8 cm³、重量は59.6 gです。XS Maxと比較すると、0.7 mm厚く、4.2cm³大きく、13g重くなりました。
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iPhone XSに搭載されたものと同じL字型シングルセルバッテリーです。その分解では、内側のコーナーに加わる圧力や熱膨張に対応するための複雑なバッテリー設計を学びました。
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バッテリーの下に見つけたミステリーなボードは(一部機能ですが)、バッテリー、ワイヤレス充電コイル、Taptic Engineに接続されています。
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そのため、iPhone史上初、副次的なバッテリーコネクタがあります。ワイヤレス充電コイルのすぐ隣に直接プラグインします。ここでAppleが目指していたものは何なのか、私たちには分かりません。
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異物侵入を防ぐOリングが付けられ、新しくデザインされた気圧計らしきものを取り出します。
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デバイスのこちら側のコンポーネントは全て、フレーム上に取り付けます。去年モデルで使われていたフォーム製のものと比べると、接着剤による粘着性が強いです。恐らく、これも耐水性能の強化に繋がっているのでしょう。
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XS Maxは非常に高額だったという点を除けば、何の問題もなく素晴らしいディスプレイが搭載されていました。そのため、新モデルの"XDR" ディスプレイは、去年のものと非常によく似ています。
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マイナーですが、役立つアップデートが1件あります。フレックスケーブルは、1箇所に集められています。修理のためにディスプレイを開く際、アクシデントでダメージを与える可能性が低くなります。
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3D Touchレイヤーがなくなったことで、何かしら影響があるだろうと予想していました。ディスプレイは、前モデルと比べて0.25mm薄くなりました。それだけです。そして、iPhoneの厚さがわずかに増えたのは、バッテリー容量の増加に関連しています。
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シールドの下に隠されたチップを見つけました: Samsung S2D0S23 ディスプレイパワーマネージメントIC
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早朝から始まったこの分解は、夜の11時までかかりました。そして、発見したことは次の通りです。
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3D Touchを廃止して0.25mm、さらに本体を0.4mm厚くしたことで、バッテリーを大容量化できました。
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2本のバッテリーケーブルの目的は、Appleが断念したと伝えられる双方向ワイヤレス充電かもしれません。もしくは、バッテリー駆動時間を管理するためでしょう。
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残念ながらカメラ専用RAMを見つけることができなかったため、Appleが公表している容量”4GB”が確認できませんでした。
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そして、複数のRFアンテナ が、U1チップと連動して上手く機能しています。(おそらく)
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まだダイヤルを押さないでください。詳細な分解を近日中にお届けします!
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- ディスプレイやバッテリーの修理が優先されているデザインのiPhoneです。
- バッテリーを分離する手順は単純化され、さまざまな部品にアクセスしすくなっています。
- ネジが多量に使用されていることは接着剤よりましですが、標準プラスドライバーに加えてApple独自のドライバー(ペンタローブ、トライポイント、スタンドオフ)が必要です。
- 耐水性能により修理が複雑になりますが、水による損傷の修理は少なくなります。
- ガラスが前面と背面にあるので落下による破損の可能性が2倍になります。背面のガラスが割れた場合は、全ての部品を外して全体ごと取り替える必要があります。
まとめ
リペアビリティのスコア


(10点が最も修理しやすい指標です)
以下の翻訳者の皆さんにお礼を申し上げます:
100%
これらの翻訳者の方々は世界を修理する私たちのサポートをしてくれています。 あなたも貢献してみませんか?
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78 件のコメント
It would be great if you could determine the sensor used in each of the camera modules.
2nd this request! Thanks
would love to see a straight on shot of the phone with the screen off. (without any angles) Would also like to a teardown of the 11 Pro, which is likely more impressive density wise. I also hope you'll continue to pray open their stacked boards.
also, display assembly thickness comparisons against the XS. With 3D Touch gone, that could be very interesting.
Why would you not do this sooner as there are plenty of them out there in the hands of media? The whole point is we’re jonesing for info WHILE we wait for Friday to get here which is when a lot of will have one in our hot hands.