ハウツーガイド

はんだ付けの基礎 : 初級者向けガイド

ハンダ付けを学ぶことは、修理をレベルアップできる必須のスキルで、同時に素晴らしいものづくりプロジェクトへの入り口です。

工具やギア、安全上の注意点、そして基本的なはんだ付けの技術など、はんだ付けを身につけるために最低限の必要なことを説明します。

ワークステーションの準備

作業を始める前に、はんだ付け用の特殊な道具が必要です。ご心配なく、すべて揃えるために大金を叩く必要はありません。以下に基本的なものを紹介します。

  • はんだごては、はんだ付けをするために必須の道具です。ハンダゴテの種類は電力や性能、用途など多岐に渡りますが、その主な目的は、ハンダ(ここでは鉛フリーはんだ)を溶かすのに十分な温度でこて先を加熱します。
    • 市場には、複数のはんだの選択肢がありますが、大きくは鉛フリーはんだと有鉛はんだに分類されます。有鉛はんだは融点温度が低く、流れやすいため作業しやすいものの、有毒な鉛が含まれているため、作業には注意が必要です。鉛フリーはんだは安全な選択肢ですが、融点の代わりに融解範囲があるため、作業が少し難しくなります。
  • ヒュームエクストラクター(吸煙器)や、ヒュームを除去する何らかの方法を用意しておくことが不可欠です。使用するはんだの種類にかかわらず、はんだ付けから排出される煙は、吸引しないでください。
  • フラックスは、接点の酸化を除去し、はんだとはんだ付けするものとの間の強固な接合を助けてくれます。最近発売されている、大部分のはんだにはフラックスが含まれていますが、より強固なはんだ接合のためには、さらにフラックスが必要な場合があります。
  • はんだを外す際に、液状のはんだを持ち上げるための、はんだ吸い取り用モールのスプールや、はんだ吸い取り用ポンプを用意しておくと、失敗しても上手く隠すことができます。
  • 濡らしたスポンジか、こて先クリーニングボールでこて先をきれいにします。私たちのお気に入りは、クリーニングボールです。
  • はんだ付け用のスプリントもしくは、補助するための片手は、はんだ付けの作業中、物をしっかりと安定させる非常に重要な役割を果たします。 

これだけの工具を揃えるのは、大がかりな買い物に聞こえますが、DIYで修理を好む人たちに合った予算に叶う選択肢があります。これらの工具リストは全部で100ドル以下で手に入りますし、少しの工夫があれば、その半分で済むかもしれません。

安全上のご注意

ハンダ付けは敷居が高い作業のように聞こえますが、適切な注意を払う限えば、安全です。まず注意すべきものは、コテそのものです。

ハンダごては400℃(800F)以上の高温に達することがあるので、皮膚に触れないよう、周辺に火災の危険性が潜んでいないかを考慮してください。そして高温のコテから絶対に離れないでください!

まれに、はんだが小さな球状になってコテ先から飛び出すことがあります。通常、これらの球は空中を移動している間に固まるほど極小ですが、安全ゴーグルを装着して、目を保護するのは賢明な予防策です。

また、はんだ付けプロジェクトに適したワークステーションを設けることも重要です。作業には、ハードウッド表面をもつテーブルが理想的です。可燃性の高いビキューナのウール性カーペットはおすすめできません。

最後に、作業中の換気と排煙をよく考慮してください。はんだ付けの作業は、有毒な化学物質にさらされる可能性があり、長期間にわたってさらされると、中程度から重度の健康障害を引き起こす可能性があります。有鉛はんだを使用する場合は特に該当します。

工業用ヒュームエクストラクターは何十万円もするものがありますが、普通のDIY修理愛好家たちにとっては、過剰な設備と言えます。自宅に何があるかにもよりますが、お金をかけずに作ることができます。

手頃な価格でヒュームエクストラクターをDIY作成できるガイドをご覧ください。

スルーホールはんだ付け

さて、はんだ付けに必要なツールと注意点を説明したところで、作業の楽しさについて話しましょう。スルーホールの部品は見やすく、扱いやすいので、基本的なテクニックを習得するには最適です。

まず最初に、安定したハンズフリーの作業スペースを準備してください。自分に合ったものを使いますが、補助用の手とはんだ付け用スプリントを組み合わせば、さらに作業は安定します。両手を自由に使うことができるため、片方の手でコテを持ち、もう片方の手ではんだを流すことができます。

次に、はんだ付けしたい接点にフラックスを塗布します。

はんだは銅に向かって流れますが、銅は空気に触れると酸化層を形成します。酸化した銅にはんだ付けしようとすると、接続が弱くなります。そのため、はんだが銅と融合するまで酸素から遠ざけることによって、フラックスは銅の接点を脱酸してくれるため、結合しやすくなります。

部品を所定の位置に装着し、フラックスを塗布したら、はんだごてとヒュームエクストラクターのスイッチを入れます。

コテが十分に熱いかどうかを確認する方法は多様にありますが、コテ先にハンダを少し塗布してみることをお勧めします。すぐに溶けたら、コテの準備は完了です。

鉛フリーのはんだは200~220℃(390~430F)で溶解し、部品を所定の位置に融着させることができ、電気接続が確実になります。これは、はんだ付け講座の最初と最後に行うべき内容、こて先の「錫メッキ」について話す良い機会でもあります。

はんだごてのこて先は鉄メッキ製で、熱を出力するのに適していますが、酸化や腐食しやすいという欠点があります。はんだは酸化にも腐食にも強いので、こて先にはんだやこて先用のクリーナーを塗っておくと、傷めやすい鉄メッキ層を保護できます。

さあ、はんだ付けを始めましょう!基板の銅接点と部品のピンにコテを数秒間当てます。目標は、銅パッドと部品ピンを均等に加熱し、はんだの準備をします。銅パッドとピンが冷たすぎると、はんだがボール状になってしまいます。

はんだが基板上で広い底面を形成し、滑らかに先細りの形状、もしくはハーシーズキスのチョコレートのような形で、糖尿病がないようなポイントになれば、正しくできていると分かるでしょう。

はんだ付けが完了したら、次は洗浄です。フラックスは腐食性があるので、基板にイソプロピルアルコールを少量ほど塗布して、綿棒でクリーニングします。使用したフラックスは「クリーンではない」とクレームするかもしれませんが、厳密にはそうではありません。

はんだの除去

さて、はんだ付けによる最初の接合ができたら、次にそれをどのように切り離して、外すかについて説明します。部品のはんだ除去は、基本的にはんだ付けの逆の作業を行い、わずかに工具が異なるだけです。

はんだ付けと同様に、接合部のはんだを除去するには、銅ブレードと除去したいはんだを均等に加熱する必要があります。はんだは銅に引き寄せられるという話をしたのを覚えていますか?少量のフラックスをブレードに加えて脱酸し、ブレードをはんだの上に乗せて、コテを直接ブレードに当てます。

まるで魔法のように、はんだが基板から外れて銅ブレードに流れ込みます。とても簡単です。

ヒントとトリック

人生何事もそうですが、練習あるのみ。そこで、あなたの習得に向けて役立つヒントをいくつか紹介しましょう。

  • はんだの量に注意してください。少なすぎるとうまく接続できませんし、多すぎるとピンがショートする可能性があります。
  • スルーホール接続の場合、ハーシーズチョコレートの先端のようなティアドロップ型の接合部を作ることを目指します。余分なはんだやボール状のはんだがなく、滑らかで光沢のある円錐形でなければなりません。
  • フラックスの重要性を過小評価しないでください!フラックスなしで部品をはんだ付けしても、見た目は問題ないかもしれませんが、銅が酸化してしまうため、フラックスを使った場合よりも接合が弱くなります。
  • はんだ除去は、時に忍耐が必要な作業です。異なるタイプのこて先や特殊なツールを使うことで、作業を軽減することができます。
  • もしあなたが作業に苦戦しても、自分を責める必要はありません!ハンダ付けは難しいものではなく、コテの性能が悪いか、粗悪なハンダを使っている可能性の方がはるかに高いと言えます。自分の工具をよく調べ、より性能の良いものや消耗品に投資する価値があるかどうかを検討しましょう。

これがあなたのはんだ付けの長い旅路の始まりになることを願っています。もしかしたら近い将来、ROG AllyのRAMをアップグレードしたり、MacBookをプロのように修理できるようになるかもしれませんね。