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修理は私たちに与えられた権利です。私たちは、消費者や環境に優しい電子機器が修理可能にデザインされ、利用しやすい修理情報や交換用パーツが付属していることを求めて、最前線で戦っています。この”修理する権利”を求める世界的なムーブメントについては、こちらをご覧ください。

ガジェット

iPhone SEのパーツはどの程度、個別アップグレードが可能でしょうか?

Appleは新モデル全体の設計に経費をかせず、節約しながら、新モデルのスペックをアップグレードしているのに、なぜ私たちはお金をかけてアップグレードしなければならないのでしょうか? カメラはより高性能に、バッテリーはより効率が良く、プロセッサはより高速に。これらのアップグレードを得るためには、新モデルを手に入れるしかありません。Project AraやPuzzlephoneを聞いたことがありますか?自作PCの概念をスマートフォン市場に持ち込むという夢のような話です。コンセプトは簡単です。デバイスではなく、テクノロジーをアップグレードします。10万円を払って新機種を手に入れて、まだ使える携帯電話を引き出しの奥に眠らせるのではなく、カメラパーツを購入し、それをデバイス本体にインストールします。結果として、30gほどのe-wasteを廃棄するか、古いパーツとして売ることができます。少し時代の先端を走っていたNewtonと同じように、先導してくれるのでしょうか。 iPhone SEは第3世代モデルに突入しましたが、どれもiPhone 8の筐体にうまく収まります。iPhone 8、第2世代iPhone SE、2022年モデルiPhone SEは、すべて同じボディで、全体的に同じパーツを使っています。パーツを入れ替えてアップグレード可能なパーツの夢は、もうすぐそこまで来ていますが、重要なパーツの交換はどの程度可能なのでしょうか? iPhone SE 第3世代モデル iPhone SE 第3世代は基本的に第2世代モデルと同じです。サービスが必要な時は、 iPhone SE 2020の修理ガイドに従うことをお勧めします。また、Appleが公開している修理ガイドも参考にしてみてください。ただし、中身を見て驚愕しないでください。これはAppleが期待している現実です。 iPhone SE 2022のパーツ交換の互換性 2台のiPhone間でパーツ交換をする場合、正常に動作するもの、動作はするけれど機能を損なうもの、全く動作しないものに分けられます。最初の2つについては、パーツの形状が適合し、デバイスは正常に動作しますが、Appleのトレードマークである「確認できません」という警告が表示されます。しかし場合によっては、2つの新品のiPhoneの間で交換された純正パーツであっても、Appleからの恩恵(および/または手数料)がなければ、パーツのペアリングができないため機能が失われることがあります。そこで、2022年モデルのiPhone SE、2020年の前モデル、そして先代モデルのiPhone 8の間でどのパーツが交換後も機能するかどうかを、”可能”、”可能ですが…(限定的)”、”不可能”と判定した結果をお伝えします。 iPhone SEのバッテリー の交換 iPhone SE 2022のバッテリーを同モデルにインストール:可能ですが…バッテリーの交換を考慮した時、交換できるのは良い兆候ですが、残念ながら「非純正パーツ」の警告が表示されます。唯一失ってしまう機能は、バッテリヘルスを表示することができません。正真正銘、純正のバッテリーを使用していても、Appleは自身で承認できるまで、あなたが行なった修理を「純正ではない」ものと見なします。…

テックニュース

Appleセルフサービス修理プログラムが始動しました。

Appleは、2021年11月に発表したDIY修理用パーツプログラム、セルフサービス修理プログラムをついに始動させます。そして4月27日より、米国内のAppleではiPhone 12、13、SE 3の純正パーツとツールを購入することができます。対象パーツはバッテリー、下部スピーカー、カメラ、ディスプレイ、SIMトレイ、Taptic Engineです。来年にかけて、このセルフ修理プログラムはM1 MacBookへと拡充され、また欧州もサービス対象地域に加わるようです。また将来的には、その他のパーツ製品販売も含めながら対象地域も広げられる予定です。今のところ、AppleがiFixitのようにiPhone旧モデルをサポートするかは不明です。 昨年11月の時点では、iFixitはこの新プログラムについて慎重ながらも楽観的に捉えていました。より多くの人に修理できる機会が与えられることは、素晴らしいニュースだからです!本日、Appleが発表した詳細の中で、希望に満ちたサービスも多くあります。とりわけ新モデルのパーツ提供については7年間保証されること、これまでAppleの正規技術者しか手に入れられなかったツールが一般販売されること、そして公式Appleサイト上で手順ごとにまとめられた無料の修理マニュアルが公開されます。しかし、この新しい領域への扉が開くと同時に、私たちはこの変化に圧倒され、いつもの懐疑心が沸き起こってきます。 まず、最大の問題点は?Appleはパーツのペアリング戦略をさらに強化し、ごく限られたシリアル番号で認証された修理のみに限定しています。つまりシリアル番号やIMEIがなければ、主要なパーツは購入できません。アフターマーケットから入手したパーツに交換した場合、「認証できませんでした」という警告表示が待っています。この戦略は、サードパーティーによる修理は機能を失わせる行為として妨害し、リサイクル業者やテック整備士たちの選択肢を劇的に制限させることに繋がり、循環経済を短絡させる可能性があります。 アメリカ国内では、AppleからiPhone 12の純正スクリーンを購入し、手間なく自分でインストールすることができるようになります。今までのDIY修理では、Face IDスピーカーとセンサーアセンブリを新しい交換用スクリーンに移植して、インストール終了後はスクリーンに表示される警告を無視するという一連の作業でした。もしアセンブリが破損していたり、欠陥があった場合は修理はここで行き止まり、運が悪かったと片付けるしかありませんでした。しかし新しいプログラムのおかげで、Appleの純正パーツを購入できれば、この問題を解決することができます。 一方で、パーツ購入時にiPhoneに付いてくるシリアル番号またはIMEIを入力しなければなりません。パーツをインストールした後、インストラクションに従ってワイヤレスの設定ソフトウェアを介してパーツとiPhoneをペアリングする必要があります。パーツのペアリングが必要になるということは、パーツ販売が終了した時、iPhoneに有効期限が設けられるということです。修理業者がまだ機能するiPhoneに非純正パーツを入れた場合、完全に修復することはできません。他のiPhoneから取り出した純正ディスプレイと交換しても同様です。iFixitが連携して取り扱っているGoogle、HTC Vive、Motorola、Samsung、Valveの公式純正パーツは、購入時にシリアル番号を必要とせず、パーツとデバイスをペアリングするためのソフトウェアも不要です。これは私たちにとって重要なポイントです。 Appleが修理マニュアルをオンラインで誰でも無料で利用できるようにしたことは、本当に素晴らしいことです。こんなに嬉しいことはありません。20年来の願いが叶ったようです。Appleは、修理用ツールも初めて一般販売を始めました。Apple純正のバッテリープレスやディスプレイ用の接着剤リムーバーなどが購入できるだけでなく、これらのツールをレンタルすることができます。49ドル(約6000円*)で、iPhone修理に必要な公式ツール一式を利用できるのです。なんと頑丈なケース2個の中に、合わせて35Kgのツールが入っています!車のオイル交換のためにBoston Dynamicsのロボットをレンタルするような感覚です。通常のDIYを愛する個人技術者たちは、これだけのツール一式を揃える費用や手間はかけないだろうという予想に反しながらも、Appleが公開した修理マニュアルは専門的で頑丈なツールを使用することを想定して作成されています。今の所、iPhoneオーナーや個人技術者たちはiPhoneの修理はもっとシンプルなツールがあれば修理ができると実証しています。 またAppleは、MacBookのバッテリーサポートを10年間提供することに加え、iPhone用パーツについても7年のサポートを約束しました。(カリフォルニア州の規定により7年のサポートは義務付けられています)。バッテリーの交換は必須のメンテナンスと考えるべきで、発売から10年間にわたるバッテリーの提供は、テック業界で遵守する最低ラインであるべきです。 提供価格はApple正規サービスプロバイダプログラムと同様に、iPhoneオーナーや個人技術者たちは”卸売り”に近い価格でパーツを購入できます。(本来の卸売を望んでいる企業にとっては満足できる価格ではありません)。AppleのiPhone 12 純正バッテリーは、本体価格の6%にあたる価格です。スクリーンは本体の約33%にあたる価格です。さらにAppleは不要になった古いスクリーンを回収してくれます。増え続けるE-wasteを考えると、これは良いサービスで、Appleにとっても整備して再利用を広げれる理想的な仕組みです。 Appleで販売されるiPhone 12の純正ディスプレイは269.95ドル(約35,000円)で、古いスクリーンをリサイクル回収に出すと33.60ドル(約4,300円)が戻ってきます。Appleからツールをレンタルすると、49ドル(約6,300円)が加算され、修理にかかる合計は285.35ドル(約37,000円)になります。iFixitではOLEDディスプレイの場合は249.95ドル(約32,000円)、アフターマーケットのLCDは199.95ドル(約26,000円)で、ツールを含む修理キットとして販売しています。iFixitのパーツ価格は発売以降の経過時間と比例して大きく変化します。参考までに、現在のツール付きiPhone 11スクリーン修理キットは124.99ドル(約16,000円)です。 修理を考慮するとAppleの新プログラムは素晴らしい一歩であり、思い切った方向転換です。しかし、このプログラムは世界中で目指す修理する権利の法制化とは一致しません。私たちが目指す修理する権利は、独立系修理店にリペア市場で競争できる機会を与え、結果として修理費全体を引き下げることです。残念ながら、Appleのプログラムは、片方の手で修理の自由を拡大しながら、もう片方の手でドアを施錠しています。シリアル番号の確認を購入時のプロセスに統合することは危険な前兆であり、将来的にはAppleがさらに多くの修理を阻止する力を持つようになる可能性があります。Appleは個々の技術者の修理をより簡単にするテクノロジーを提供しながら、純正もしくは非純正パーツを使った修理を”承認”、あるいは”拒否”できるゲートウェイを構築するでしょう。 私たちは、AppleのDIY修理プログラムを澄み切った心で支持することができればと思います。DIY修理のオプションがないことよりも、このプログラム導入は望ましいはずです。しかし、Appleのマーケティング担当者があなたに信じ込ませようとしているような、ユーザーや修理技術者たちにとって無条件の勝利ではありません。少なくとも、Appleはこのプログラムを導入する前にいくつかの課題を緻密に計算しています。メーカーは”修理する権利”の波がやって来ることを知っています 。私たちは、しかるべきタイミングでAppleがやり残した課題に取り掛かります。 * 1ドル=128円(2022年5月上旬時点) 翻訳: Midori Doi

修理する権利

修理する権利に賛同しはじめたメーカー

私たちは以前から、修理ができるという事は、地球にもユーザーにもビジネスにとっても良いことだと繰り返し言ってきました。これは揺るぎない真実です。修理をすれば、電子廃棄物を削減し、リサイクルを容易にすることができます。皆さんも修理を成功させることで自信やパワーが湧いてきたり、節約に繋がった経験があるかもしれません。修理可能な製品は、メーカーにとっても意味があるのでしょうか?はい、意味があることです。  修理は世界共通のアクションです。メーカーは修理をすることで、製造上の問題をより迅速に解決でき、整備済み製品の再販が可能となり、リピーターを確保するためのブランドロイヤリティを構築できます。Samsungの調査によると、フランスの消費者の80%が、よりリペアビリティの高い製品が手に入るなら、お気に入りのメーカーの製品を諦めるという結果が出ています。Samsungは何年間も”修理する権利”に反対してきたにもかかわらず、ここにきてリペアビリティ重視のムーブメントに賛同し始めています。どうして、私たちにこの方向転換がわかるのでしょうか?その理由は、SamsungはiFixitにデザイナーを対象としたリペアビリティ改善のワークショップを依頼し、私たちはSamsung公式修理用パーツの販売など、喜んで協力体制を作り始めているからです。 生活家電のインフルエンサーたちは、トレンドを無視して今の地位を築いたわけではありません。それよりも、彼らはトレンドを予測するクールハンターであり、常にパラダイムシフトの真っただ中にいます。そして、この”修理する権利”は、注目すべき大きなうねりとなっています。欧州を中心に規制が盛り上がる中、アメリカ国内では超党派による法案提出やバイデン大統領の支持を受け、さらにメーカー内部でも修理する権利を支持する動きがあります。各メーカーは、このムーブメントが巨大化する前に素早い対応をしなければならないでしょう。  SamsungやAppleはパーツやツールの提供を公約に掲げています。Valve社はスペアパーツを配慮したSteamDeckを発表しました。またMicrosoftは接着剤を重用するデザインから一転して、修理を配慮した製品設計に転換しています。このようなデザインの改善は、いつか法規制される時のために、事前準備が始まっています。 修理する権利は、3つの根幹で構成されています。1) デバイスを開いて修理する基本的な権利を成文化すること、2) 修理マニュアルの公開を義務化すること、3) 交換用パーツや必要なツールの販売を義務付けることです。修理の法制化が実現すれば、メーカーはパーツやツールの管理・販売・出荷に伴うシステム構築や、一般ユーザーでも分かる明確なマニュアルの提供が求められるようになります。私たちは、これら全ての業務経験を…積んできました。 iFixitは20年近くにわたる何千種類もの修理ガイド作成や何百万時間にも及ぶリサーチ業務、そして世界中で修理を行う何万人ものユーザーのお陰で、修理情報とデバイスの寿命を延長するためのリソースとなりました。私たちは国際事業を展開しており、電子機器の修理に必要なノウハウや信頼できる交換用パーツと専用ツールを提供する販売ネットワーク、そして修理可能な設計について深い経験と知識を有しています。私たちの使命は、すべての人があらゆるものを修理できるようになることです。この目標を達成するための、新しい味方を得たことは素晴らしいことです。 昔から私たちをサポートしてくれている大切なユーザーの中には、iFixitの公平性を心配するかもしれません。十年以上も戦ってきたメーカーと手を組みながら、リペアビリティを向上できるのでしょうか?私たちは可能であると考えます。iFixitは後発組メーカーのために私たちが持つ経験を提供しますが、iFixitの承認サインを与えることはしません。修理する権利を実現するには、将来を見据えている国会議員、世界基準をデザインできるスタッフ、弁護士、有権者やあなたのような修理人、そしてもちろん現状を変えたい製造メーカーの参加が必要です。私たちは今後も変わることなく、デバイスのリペアビリティを評価し、修理不可能な設計をしたメーカーを厳しく非難していきます。iFixitは客観性を保つことを誓い、それを保証するための基準を設置し、パートナーシップの透明性を念頭に置いています。私たちはユーザーの皆さんにも、この運動に加わっていただきたいと願っていて、そのためには皆さんからの信頼を変わらず維持していく必要があります。iFixitはこれからもiFixitで居続けます。 現在繰り広げられているコラボレーションはもちろん、近い将来に舞い込んでくるであろう素晴らしいニュースにも期待を膨らませています。どんなニュースか想像できますか?もし新しい提携先のアイデアをお持ちでしたら、ぜひお聞かせください。Samsungのような企業が耳を傾けて協働してくれなければ、私たちは無力です。一人で行動するのは危険ですが、団結して行動していけばよいのです。 Let’s go fix the world. *このブログはMidori Doiによって翻訳されました。

テックニュース

iFixitとGoogleはPixel純正パーツの提供プログラムを立ち上げました。

2022年後半より、iFixitはGoogleと連携してPixelフォンの純正パーツを販売することになりました。  詳しくはGoogle公式の英語ブログ記事よりご確認ください。 私たちは、初代Google PixelモデルからPixel 5まで各モデルの手順ごとにまとめられた修理ガイドを無料で公開しています。そしてPixel 5a、6、および6 Proモデルの修理ガイドについては鋭意作成中で、近日中に公開予定です。 iFixitストアで取り扱う予定のGoogle Pixel 公式パーツはバッテリー、ディスプレイ、カメラなどを含み、一般的な修理に必要なパーツが揃います。単品だけでなくドライバービットからスパッジャーまで、Google Pixel の修理に必要なすべてのツールも加えた修理キットも合わせて販売します。  iFixitの米国、英国、カナダ、オーストラリア、EUストアにおいて、Pixel 2からPixel 6 Pro、および将来発売されるPixel新モデル用のPixel純正スペアパーツを上記対象エリアのifixit.comストアから購入できます。 各修理キットには、接着剤で接合されたケースに直接かつ均一に熱を加えるために設計されたオープニングツール ”iOpener”が付属しています。また、修理完了後のPixelの防水防塵性能を保ち、デバイスを密封させるための、プレカットされた交換用接着剤も含まれます。 Pixelの修理キットに含まれるツール一覧: iOpener プレカットされた交換用接着剤 iFixit オープニングピック (6枚セット) スパッジャー iFixit オープニングツール 吸盤ハンドル アングル付きピンセット SIMイジェクトツール付き精密ビットドライバー…

修理する権利

修理する人たちは”修理しやすさ”とは何か知っています

先週、3年間にわたる産業界との議論がようやく実を結び、欧州規格EN45554が制定されました。EN45554は、「エネルギー関連製品の修理・再利用・アップグレードの評価に関する一般的な方法」を定めた公式文書です。分かりやすく説明すると、修理のしやすさを測るための規格で、公正に修理をするための戦いにとっても、大きなマイルストーンと言えます。 なぜEN45554は大きな影響を与えるのでしょうか? 私たちは、自分たちが所有しているものを自分で修理して、より長く使いたいと思っています。私たちがお金を出して買ったものに、それなりの価値を求めているだけでなく、新しい製品を製造することは気候変動の大きな要因であり、過小評価されているという点でも重要です。地球の温暖化をくい止めるには、使い捨て電子製品の製造を止めるだけでなく、長く使えるように修理をしなければなりません。早急なアクションが必要です。 問題は、産業界が自分たちだけで実現できないことです。経営者たちは、四半期ごとに売上を伸ばさなければならず、製品の寿命を延ばすことは除外されます。だからこそ政府が法律で介入し、修理不可能な製品の販売を禁止し、消費者(あなたも)自身が耐久性のある製品を選別して、より良い購入ができるようにする必要があるのです。そしてEUでは、政治指導者たちがその準備を進めています。 しかし悩ましいのは、政界リーダーたちは「修理可能な製品」とは何か知りません。メーカーに聞けば、自社の製品は修理可能ですと答えるはずです。私たちに言わせれば、明らかに修理可能なデバイスもあれば、全く修理不可能なものもあります。 そこで、リペアビリティを規制するには、製品が修理しやすいデザインであるか測定できる、一般的に受け入れられる指標が必要です。これはCEN-CENELECのワーキンググループが過去3年間に渡って検討してきたものです。私は、そのワーキンググループのメンバーとして、また私たちの地球を代表して参加してきました。(そして地球もリペアビリティの標準化を専門とする環境団体ECOSを通じて、私を推薦してくれました) リペアビリティの規格化について、製品に応じて基準や方法を選択できるツールボックスのようなものにすると、予め決められていました。まず物理的なパーツやコード(ファームウェアやソフトウェア)など、製品のどの部分に焦点を当てて評価するかという基準を定めました。次にリペアビリティに関する様々な項目を抽出しました。あるデバイスでは、製品を解体するために必要なツールやネジの種類など、製品自体の特性です。また、トラブルシューティングのサポート、スペアパーツや情報の提供など、アフターサービスに関するものもあります。  上のように、これら全ての項目をカバーするスコアチャートを作成しました。そして評価する製品のタイプを配慮して、それに合わせた基準を設定し、特定のパラメーターをリペアビリティスコアに落とし込むための、柔軟な集計式を考え出しました。 これら全ての項目に関するコンセンサスを得ることは容易ではありませんでした。各々の項目で激しい議論が交わされました。ほぼすべての用語についても議論が繰り広げられました。さらに、このワーキンググループにはメーカーの代表者たちで大半が占められていました。自社の製品やサービスを向上させようとする人もいれば、自分たちが作っているものがきちんと評価されているかどうか確認したい人もいました。率直に言って、このプロセスを妨害しようとしている人もいたのが実情です。 それにも関わらず、変化を求める私たちは推し進めました。提案に次ぐ提案を行った挙句に、草案の幾つかが各国の代表によって却下されたこともあります。しかし2019年11月、ついにこの草案が承認され、リペアビリティ:修理のしやすさを評価する公式な基準が完成しました。 これは画期的なことです。これまでで初めて、リペアビリティに関する私たちの見解が、iFixitの意見だけのものではなくなりました。その代わり、EUは修理を選択肢に入れた時の指標(ハイアラキー)を表示することを広く認めてきています。例えば、製品内部を開けようとしたときに固定用クリップが壊れてしまうと、その製品は修理不可能と評価されます。また特殊なネジを使っている製品は、修理不向きとして評価されます。メーカーが正規修理ネットワークとサービスマニュアルを共有する場合、この対応だけでは不十分と評価されます。もし本当に自分たちの製品をユーザーに修理してもらいたいのなら、彼らに交換用パーツを提供しなければなりません。 iFixitでは何年も前から言い続けてきたことですが、ようやく体現化してきました。 ここで終わりではありません。このツールボックスを実際の現場に適用させてみる必要があります。ここで決められた標準的なルールを製品タイプ毎にどうやって適用させていくべきか、また製品ごとに異なる様々な基準を、どのように重点化していくかは、今後の議論によって決定されます。その際には、私たちも意見を述べることになります。 フランスでは2021年、リペアビリティのラベル表示が義務化されました。ヨーロッパの”修理する権利”キャンペーンでは、EUで販売される全製品に同様のラベルを付け、壊れたら修理できる製品を選べることを推進しています。EUのリペアビリティ公式ラベルを最初に取得する製品は何であるべきか意見を求められるなら、真っ先にスマートフォンと答えるでしょう。(それが実現するまで、iFixitで公開しているスマートフォンのリペアビリティスコアを参照してください)さらに修理可能なスマートフォンを選ぶだけでなく、修理が必要になった時に、必要な部品を入手できる法的な権利があることが望まれます。  数年後、お気に入りのスマートフォンを落として破損した時のことを思い浮かべてください。修理するか、それとも買い替えなければならないか、その判断はメーカーに委ねるのがいいのでしょうか。それとも自分で選択できるべきでしょうか?あなたが自分で決められる立場でいたいのなら、全てのスマートフォンを修理可能にすることを求める請願書に署名してください。私たちは、今回のワーキンググループで策定した基準をもとに、スマートフォンの製造メーカーが遵守すべきリペアビリティの要件を設定する予定です。 ”修理しやすさ “の意味を理解した今、もう言い訳はできません。今こそ、「修理可能な未来」を実現する時です! *このブログはMidori Doiによって翻訳されました。

修理ガイド

Samsung Galaxyの修理ガイドはiFixitで拡充中です。

3月初旬、iFixitはSamsungの新モデルGalaxy S22を分解し、前モデル内部と比較しながら、どのパーツに熱対策を施しているか点検しました。それからすぐに、新しいハードウェア用の修理マニュアル作成にとりかかりました。私たちがあらゆるデバイスの修理マニュアルを用意していなければ、iFixitは今のような世界最大の修理情報サイトとはならなかったでしょう。 今日は、Sammsung Galaxyの修理情報を中心に話をしてみたいと思います。 傷だらけのバックカバーの交換、それとも交換が必要な消耗した古いバッテリーを交換、もしくは辛いニュースを読み続けるドゥームスクロール中に不要なハプティック(触覚)フィードバックが発生する壊れたディスプレイを交換して、ピカピカのスマートフォンに変身させたいですか?iFixitには様々な機種に対応した修理ガイドが用意されています。そうでした、これら全ての修理ガイドが無料で公開されていることをお伝えしましたか? また、使用中のスマートフォンの状態が良好でも、お手頃価格のMシリーズからGalaxy Aシリーズ、Galaxy S20などのフラッグシップモデルまで、手順ごとにまとめられたSamsung Galaxy 修理ガイドから、美しい最新ハードウェアの内部を覗いてみましょう。 S21 UltraとS21+の修理ガイドを日本語でもオンライン公開しました。S21の修理ガイドの公開は、今後数週間内の予定です。そしてSamsungの最新モデルGalaxy S22も私たちの作業台上で待機中で、このモデルの修理ガイドも近日中に公開されます。 これからもSamsungとのコラボレーションは拡大を続けていきます。そしてSamsungは最新モデルの正規交換パーツを、ユーザーが自分で直接入手できる計画を発表しました。最新Galaxyのバッテリー内蔵ディスプレイアセンブリ、背面ガラス、充電ポートなどのパーツ販売を予定しています。私たちはSamsungの新たな動きを賞賛し、今夏にはさらに充実した内容の発表をする予定です。 お探しのSamsung Galaxy 修理ガイドが日本語で見つかりませんか?英語翻訳に自信のある方は翻訳ボランティアにチャレンジしてみる、修理経験のある方はiFixitコミュニティに参加して自分で修理ガイドを作成してみてください。もしくは、デバイスウィッシュリストからご希望のデバイスの修理ガイドをリクエストしてください。Galaxyの修理を通じて、世界に修理を広めていきましょう。 *このブログはMidori Doiによって翻訳されました。

修理する権利のアクティビズム

世界中で活躍するリペア団体組織の紹介

2021年、世界的なサプライチェーンの混乱が市場に大きな影響を与え、困難な時期が続いていますが、世界中で活躍する幾つか素晴らしいリペア団体が、活動を継続させていることを賛賞します。そしてiFixitは、これらの団体と協力してリペアエコノミーを促進させてきたことを大変嬉しく思います。  私たちのパートナーシップのひとつにRepair Café 財団があり、2021年はデンマークとスイスのリペアカフェ設立を支援することができました。 また、CLIMATE BETのZero Waste Challengeに賛同し、Essential Electronics Toolkits(EET)を3つ提供し、Refuse、Reduce、Reuse、Recycle、Rot(コンポスト化)のミッションを推進するための支援を行いました。Zero Waste は、5つのRを1ヶ月間実践する中、どれだけお金を節約できるか試しました。そしてさらに重要なことは、私たちの本来の消費量はどれほど少ないかを確認できました。EETsは最も経済的な万能ツールキットで、電子機器の修理や家電製品での簡単なDIYメンテナンスを始めることができます。  昨年、Hardwear.io はオランダのPayatu BVで毎年恒例の ハードウェア セキュリティ コンファレンスを開催しました。私たちはこのイベントに協賛し、PTT(Pro Tech Toolkit)とETTツールキットを提供して、誰でも忍耐さえあれば電子製品のハードウェアにアクセスできる機会を与えました。これはデバイスを修理するだけでなく、その内側を開いて仕組みを見ることで、より安全にメンテナンスできることも含まれます。 iFixit EU本社はドイツにありますが、今年、ドイツの一部で未曾有の豪雨に伴う大規模な洪水が発生し、人命や財産が失われる事態となりました。ドイツ在住の修理人たちから、水濡れしたディスクやコンピューターから大切なデータを取り出すためのツールキットが欲しいという数多くのメールが寄せられました。多くの人にとって、これらのデバイスは高価なハイテク製品だけでなく、かけがえのない情報や思い出が詰まっています。 またドイツのメイカースペースに、洪水被害への支援金に加え、PTTツールキットも寄贈しました。メイカースペースとは、モノが動く仕組みを詳しく知りたいという好奇心旺盛な人たちが集まる拠点スペースです。支援を通じて、この地域に本社を置くメーカーがリペアビリティについて探り始めるきっかけになればと願っています。  Ndwenga e.V.は、ドイツに拠点を置き、アフリカのKinshasaで修理教育を行う非営利団体です。私たちは、彼らの活動を支援し、アフリカ大陸全体に「修理する権利」の意識を広めていることを嬉しく思っています。  もし、iFixit のサポートによって恩恵を受けることができる修理団体や組織をご存知でしたら、私たちのMeta ディスカッションスレッドで情報共有ください。

修理する権利

誰もがGenius : AppleはDIY修理用のパーツとツールを提供予定

 2022年初旬に、これまで不可能だった修理が可能になるでしょう。iPhoneのスクリーンをAppleから直接購入して、Appleの修理マニュアル(必要に応じてツール)を参照しながら交換し、Appleの診断ソフトウェアを使って完全に元通りに動作させることができるのです。それを叶えるために、わざわざAppleの正規サービスプロバイダプログラムに加入する必要もありません。  この画期的なDIY修理の発表は、私たちのようなあるスキルをもつ集団に対する、非常に例外的な譲歩と言えます。Appleは長い間、一般ユーザーにApple製品を修理させることは、ユーザー側にとっても、製品にとっても危害を与えるものだと主張してきました。しかし、現政権がリペア市場に新たな関心を寄せている今、さらにパーツのペアリング問題に対する世界中から悪評を買う結果となり、Appleはユーザーに自分で修理させるという、想定外の関心が高まってきたようです。   2022年初旬より、Appleは米国内の個人ユーザーを対象に、iPhone 12およびiPhone 13のディスプレイ、バッテリー、カメラを含むパーツおよびツールを販売します。このプログラムは、より複雑なパーツのiPhone修理やM1 MacBookにも拡充されるようです。パーツやツールはAppleの”セルフサービス リペア オンラインストア”より購入でき、サービスマニュアルや修理を完了させるソフトウェアの一部にもアクセスできるようになるでしょう。  これは誰にとってもビッグニュースですが、とりわけ私たちiFixitは興奮しています。遡ること2003年、iFixit共同設立者のKyle Wiensが自分が所有していたiBookを修理しようとしたところ、そのサービスマニュアル閲覧を阻止されたことからストーリーは始まります。来年、Appleがこのプログラムを導入すると、初めてiPhoneの修理マニュアルが一般公開されることになります。(2019年にAppleで正規サービスプロバーダー向けに作成されたiMac用マニュアルの公開を巡り、社内の意見の食い違いが明らかになるという物議を醸し出しました ) 今後公開されるAppleのDIYマニュアルには、Appleの正規サービスプロバイダ向けの情報と同じ内容を含みながらも、一般ユーザーを意識した分かりやすい内容に修正されることを期待しています。  当時大学生だったKyleが、初めてiBook用の修理マニュアルを書いてから約20年経ちました。Appleは、私たちの多くが自分で修理できる技術的なノウハウを持っていることをやっと認めてくれました。  この動きによって、Appleや他のメーカーが”修理する権利”に対して意義を唱えてきた多くの議論が無効になるはずです。しかし責任は誰が負うのでしょうか?私たちはリスクを承知で修理するので、デバイスを破損したり、手の平にドライバーが刺さったとしても、Appleを訴えることはないでしょう。デバイスの保証はどうなるのでしょうか?DIY用の修理プログラムが始まることで、保証を無効にすることは違法です。しかし私たちは危惧しています。Appleプログラムは、自分で修理をしたいユーザーに対して、保証期間は確保されることを明確にするべきです。  もちろん、重要な注意点もあります。この新プログラムは、私たちが”修理する権利”を求めて取り組んできた、オープンソースによるリペア革命ではありません。Appleが既に展開していて、様々な制限があるために評判が芳しくない独立系修理プロバイダプログラム(IRP)をモデルとしています。このIRPプログラムに加盟している2人から聞いた話によると、現時点では、彼らはAppleの修理ソフトウェアを使って、壊れたパーツを他のAppleのデバイスから取り出した純正パーツと交換することはできません。つまりAppleが提供する交換パーツとデバイス本体のシリアル番号をスキャンしてキャリブレーション(調整)する必要があります。これは、パーツ回収に手慣れた整備士や修理テクニシャン達にとっては大きな制限がかかります。Appleの公式ソフトウェアを使って、 バッテリーの健康状態やTrueTone機能を回復したり、Appleから購入していないパーツに対する“非正規”パーツへの警告を削除できるかどうか公表されていませんが、その可能性は極めて低いでしょう。  また、Appleは、デバイスの修理を拡充させていくほどの利益を確保していません。IRPのメンバーは、IRPで購入できるパーツの価格が、一般のリペア市場の価格と比べて利点が低いと不満を漏らしています。現在、IRPプログラムでiPhone 12のスクリーンを購入して、交換後の壊れたスクリーンをAppleに返送する場合、約235ドル(約25000円)かかります。単純にスクリーンを購入する場合は約270ドル(約28500円)かかります。(彼らによると、この半年間でパーツの価格は若干下がったようです)IRPとこのセルフサービス修理プログラムの両方で、Appleに修理を委ねるという金銭的なインセンティブが組み込まれています。しかし、Appleが推奨する修理マニュアルが無料で公開されるのは、何物にも代えがたいメリットと言えます。  高額であろうとなかろうと、欲しい人に正規パーツを提供することで、Appleはシリアライゼーションによってパーツの制限を正当化できます。バッテリーやカメラ、ディスプレイの交換時に警告メッセージが表示されたり、機能を失わないための”正当なやり方”があるとすれば、サードパーティ製のパーツや、他のiPhoneから回収したパーツの使用に対して、Appleは背を向けるでしょう。  パーツ市場をコントロールできれば、Appleはデバイスの製造中止時期についても決定できます。そしてIRPメンバーに新製品の発売後5年から7年間はパーツ提供を約束しています。しかし、パーツの供給を完全にコントロールできれば、この約束を1-4年短縮することが可能になります。これを阻止できるのは、修理する権利しかありません。修理する権利が進むフランスでは、スマートフォンの修理パーツを5年間提供することが法律で義務付けられています。現在、他国でこのような義務はありませんが、 米国連邦議会や国内27州、そして世界中でこの権利を巡って戦っています。 本日公開されたAppleの発表では、”リペアビリティ向上”のために製品を設計しているという表現があります。これはAppleが”リペアビリティ”という言葉を使った数少ない例です。しかし同時にニュースリリースの中で、セルフサービスによる修理はAppleにとって大きな新戦略ではなく、あくまでも許容範囲内に留まることを明らかにしています。”大多数のユーザーにとって”、Appleの正規修理プログラムは”最も安全で信頼性の高い修理方法”であると締めくくっています。 だからこそ私たちは、Appleや他のメーカーが誠実であるための法律を求めて戦い続けます。最後に、私たちがずっと前から判っていたことをAppleが認めたことに感激しています。誰もがiPhoneを修理できるGenius-天才なのです。

テックニュース

Appleはサードパーティのスクリーン修理によるFace IDの不具合を修正すると発表

本日、AppleがVergeに伝えたところによると、一般リペア業者やDIY修理によるスクリーン交換後、Face ID機能を維持できるソフトウェアアップデートをリリースするということです。これはiFixitブログで、この問題とリペア業界への影響について報告し、メディアからの注目を集めた数日後のニュースです。私たちが知っているのはこれだけです。Appleが常に取り巻くこの問題を解決するつもりだったのか、それともApple製品の修理を独占するための、新たなスタンスを試していたのかどうかは分かりません。 Appleは、ソフトウェアのアップデートがいつリリースされるか言及していません。また新iPhone 13ではFace IDのフラッドイルミネーターがスクリーンとは完全に分離しているにもかかわらず、スクリーン交換後にFace IDが無効になる理由についても説明を避けています。Apple以外で修理する問題の中で、驚くほどよくある偶然は、修理頻度の高いTouch IDやカメラの修理を行った際に、その問題が深刻で対応が遅いことです。 メディアの注目と世間からの反発によって、Appleがこの問題に手を打たなければならなかったとすれば、今日はなんて良い日でしょう。Googleが発売した新Pixel 6と6 Proでは、ユーザーであれリペアショップであれ、スクリーン上の指紋スキャナを交換した後、再キャリブレーションをすれば問題なく機能する設計も幸いしたかもしれません。Appleのライセンスを受けた技術者だけがログインツールを交換できるのに対して、Googleは誰でもブラウザにアクセスできます。全く議論の余地はありません。 これはリペア業界にとって戦略的な成果と言えますが、戦場が変わるまでは終わりの見えない戦いです。Apple社やこれに付随する多くの企業は、収益性の高い正規修理サービス以外では修理ができない理由を掲げて、さらなるパーツのロックダウン、機能の消失など再び前進してくるでしょう。クラウドから自社のファームウェアブロックを修正できる企業と競争する中、一般のリペアショップはマイクロソルダリングを伴う修理を行い、1つの修理により多くを時間を費やし、より厳しい利益率を伴う未来を見ています。 このような現実を変えるため、私たちは修理する権利を求めて、メディアや様々な場所で戦い続けています。