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ハッカー(改造を楽しむ人たち)

iFixitユーザーが教える、修理中のネジの整頓術

iFixitでは、修理作業中に取り外す小さなネジやメタルパーツを安全に保管するための便利なツール、マグネット製プロジェクトマットを販売しています。 長さ1.1mmのネジと0.8mmのネジを混同させてしまい、後で取り返しのつかないことが起こらないように、あらかじめネジの保管に最適な方法を教えましょう。特にiPhoneのようなデバイスでは、ネジの長さの違いによって、デバイスに致命傷を与えてしまうことがあるため、正しい装着場所にネジを戻すことが重要です。 安心して保管できるマットが手元にない場合は、クリエイティブになりましょう。ここでは、私たちが発見した、内部パーツを上手くまとめるための便利な方法をいくつかご紹介します。 MacBook Proのバッテリー交換で取り外した全てのネジを保管する方法として、カップケーキのライナーを活用してネジの記録を残しています。(Mark Turetsky氏提供) Twitter上の画像をズームしたり、目を凝らして見ると、それぞれのライナーをラベル表示させています。彼自身が指摘しているように、この方法は猫や小さな子供、風など外的影響を受けない屋内でなければ難しいのですが、保管には最適で、しかも安価で済みます。(普通紙を使えばリサイクルも可能です) ベーキング用のツールが無い場合、一般家庭にあるもので十分です。私たちの修理ガイドにコメントを寄せてくれたユーザーたちの声を聞いてみましょう。 人気だったのは、ポストイットの粘着部分にネジを固定したり、透明テープを併用する方法です。 アイスキューブトレイを使った、誰もが納得の方法もあります。 両面テープ/接着剤を、ダンボールの厚紙に敷き詰め、ネジの頭を下にして接着面に装着し、修理ガイドの手順に則り、外した順に並べていきます。(再組み立て時は逆の順番からネジを取っていきます) カラーマーカーで各ネジとそれに対応するブラケットやパーツを同色で塗り、色分けする方法です。これなら、ネジの管理がうまくできなくても、安全な組み立て作業に貢献してくれそうです。 また、Twitter上で修理中のパーツ管理のコツを聞いてみたところ、バックポケットからContainer Storeで発売されている16個入りのオーガナイザーに至るまで、多種多様な答えが返ってきました。その中のいくつかをご紹介しましょう。 Ziploc quart baggies with the slide zip. (yes, I wash and reuse them several times over…

ガジェット

iPhone SEのパーツはどの程度、個別アップグレードが可能でしょうか?

Appleは新モデル全体の設計に経費をかせず、節約しながら、新モデルのスペックをアップグレードしているのに、なぜ私たちはお金をかけてアップグレードしなければならないのでしょうか? カメラはより高性能に、バッテリーはより効率が良く、プロセッサはより高速に。これらのアップグレードを得るためには、新モデルを手に入れるしかありません。Project AraやPuzzlephoneを聞いたことがありますか?自作PCの概念をスマートフォン市場に持ち込むという夢のような話です。コンセプトは簡単です。デバイスではなく、テクノロジーをアップグレードします。10万円を払って新機種を手に入れて、まだ使える携帯電話を引き出しの奥に眠らせるのではなく、カメラパーツを購入し、それをデバイス本体にインストールします。結果として、30gほどのe-wasteを廃棄するか、古いパーツとして売ることができます。少し時代の先端を走っていたNewtonと同じように、先導してくれるのでしょうか。 iPhone SEは第3世代モデルに突入しましたが、どれもiPhone 8の筐体にうまく収まります。iPhone 8、第2世代iPhone SE、2022年モデルiPhone SEは、すべて同じボディで、全体的に同じパーツを使っています。パーツを入れ替えてアップグレード可能なパーツの夢は、もうすぐそこまで来ていますが、重要なパーツの交換はどの程度可能なのでしょうか? iPhone SE 第3世代モデル iPhone SE 第3世代は基本的に第2世代モデルと同じです。サービスが必要な時は、 iPhone SE 2020の修理ガイドに従うことをお勧めします。また、Appleが公開している修理ガイドも参考にしてみてください。ただし、中身を見て驚愕しないでください。これはAppleが期待している現実です。 iPhone SE 2022のパーツ交換の互換性 2台のiPhone間でパーツ交換をする場合、正常に動作するもの、動作はするけれど機能を損なうもの、全く動作しないものに分けられます。最初の2つについては、パーツの形状が適合し、デバイスは正常に動作しますが、Appleのトレードマークである「確認できません」という警告が表示されます。しかし場合によっては、2つの新品のiPhoneの間で交換された純正パーツであっても、Appleからの恩恵(および/または手数料)がなければ、パーツのペアリングができないため機能が失われることがあります。そこで、2022年モデルのiPhone SE、2020年の前モデル、そして先代モデルのiPhone 8の間でどのパーツが交換後も機能するかどうかを、”可能”、”可能ですが…(限定的)”、”不可能”と判定した結果をお伝えします。 iPhone SEのバッテリー の交換 iPhone SE 2022のバッテリーを同モデルにインストール:可能ですが…バッテリーの交換を考慮した時、交換できるのは良い兆候ですが、残念ながら「非純正パーツ」の警告が表示されます。唯一失ってしまう機能は、バッテリヘルスを表示することができません。正真正銘、純正のバッテリーを使用していても、Appleは自身で承認できるまで、あなたが行なった修理を「純正ではない」ものと見なします。…

修理にまつわるストーリー

ケーブル: パンデミック中のラブストーリー

このパンデミックの2年間で、忘れかけていたものに感謝するようになりました。遠くまで犬と散歩、ボードゲームを楽しむ夜、読書、どれも辛かった時期に再発見した嬉しい瞬間です。そして再認識した最も大切なものは、決して消滅させてはならないもの、ケーブルです。 過去数年間、私はケーブルは衰退の一途を辿っていると思い込んでいました。自信を持ってワイヤレスを後押ししていました。ワイヤレスのドアベルを購入すれば、我が家がアップグレードできたと自分を称え、ワイヤレス充電器を内蔵した家具で囲まれたリビングルームを夢見ていました。 パンデミック初期のある日、路上に落ちていたAirPodsの前を通り過ぎました。数分間の間、思いに耽る主人を横目で見る愛犬と歩きながら、このAirPodsについて思いを巡らしました。実は、ワイヤレスヘッドフォンは、環境にとっても修理にとっても悪夢です。それにもかかわらず、私はイヤホン間をワイヤーで繋いだBluetooth対応イヤーバズを持っています。しかしコード無しのイヤーバズを所有する未来は、私にはやってこないのでしょうか?(しかし今ではAirPodsもバッテリーの交換ができます) 私は間違っていました。数多の便利なケーブルと同様に、ヘッドホンケーブルを不当に悪者扱いしていました。回路基板やバッテリー、ワイヤレスチップを耐久性のある製品に全て詰め込みたいという資本主義がなせる追求は、ワイヤが与えてくれる利点を見過ごしてしまう結果をもたらしました。本来のワイヤの良さは、高速で安定した接続、充電やペアリングが不要、干渉を防ぐシールドなどが挙げられます。 この2年間で、私の生活でより身近になったケーブル、そのケーブルとの物理的な繋がりを通して、ケーブルを賞賛させてください。 有線ヘッドホン 最近は、多くの人がヘッドホンを再評価しています。ヘッドフォンは、音楽、ビデオ、ゲーム、社内マーケティング担当のAlyssaの声を直接耳に届けてくれるだけでなく、そのサウンドは周囲の音、ルームメイトの音楽やビデオ、ゲームの雑音を遠ざけてくれます。 私と妻は毎日、自宅オフィスから仕事をしています。私は週のうち2〜3時間ほどビデオ会議に参加しますが、妻は毎日何時間もビデオ通話をしています。そこで、妻のためにある解決策を考えました。ワイヤレスのJabraヘッドセットです。このヘッドセットにはエコーキャンセル、アプリごとの音量レベル、ワイヤレス充電など、アプリ毎に設定できる機能がたくさん搭載されています。しかし、Microsoft TeamsやZoomでリスニングデバイスの認識が上手く表示されない、スピーカーに不具合を発生させる、夜中に猫がワイヤレス充電セットからヘッドセットを叩き落としても充電状態を持続するといった障害が起こりました。極め付けは、妻の声がサイボーグのような音声に変換され、どうやっても正常な状態に回復できず、モデルの交換を決めました。ワイヤレス充電非対応のヘッドセットが届きましたが、それでも他の問題は変わりませんでした。 そんな中、究極の解決策を見つけました。まず約1000円ほどのチープなイヤホンを購入しました。一つのゴムキャップが不良のため片方のイヤホンしか使えませんが、仕事用ラップトップに繋げて片側だけ装着します。そしてUSBウェブカメラをマイクとして使います。ヘッドフォンをプラグインすると機能します。先に購入したJabraヘッドセットはまだ使用できるため、座りっぱなしの会議が何時間も続いた後、音声のみで会議に参加する時に装着して、家の中を歩き回っています。 一方、私はビデオ会議にSONYのMDR-7506を愛用しています。オーディオマニアには定評があり、部品さえ入手できれば修理も可能です。知人にノイズキャンセリング機能付きのイヤホンを愛用している人がいますが、周囲のバックグラウンドノイズ(特に音域の差が大きい音)を完全に遮断することはできません。7506モデルのコードは、デスク周辺で作業するには十分な長さがあります。テレビを見たりゲームをするときは、この小さなBluetoothアダプタにプラグインすると、テレビやゲームコンソールとBluetoothで繋がります。少し残念なことはアダプタが必要になりますが、それでもこのデバイスは単純なサービスしかしないので耐久性は高いはずです。 イーサネットケーブル 以前、私は戸建てに住み、コロナウイルスのない世界に住んでいました。ビデオ通話は、仕事上のコミュニケーション手段ではありませんでした。たまにNetflixやHuluの番組をテレビでストリーミング再生していましたが、Wi-Fiネットワークは上手くニーズに対応でき、設定やメンテナンスも比較的簡単で、何か障害が発生すればプラグを抜いたり挿したりして解決できました。 ところがパンデミック中に複数階あるマンションの一室に引っ越しました。新居のWi-Fiネットワークは、スマート電球、スマートスイッチ、タブレット、電話、セキュリティカメラなど様々なデバイスが、2.4GHzと5GHzの両方のスペースで競い合っています。隣人のWi-Fiルーター、MacBook、サウンドバーなど数多くのデバイスも同じスペースに入り込み、この中に未設定のままのワイヤレスプリンターもありました。ビデオ通話中にフリーズしたり、ドラマThe Witcherが突然停止したとき、その原因をモダンライフに結びつけるのは気が引けました。”動け!”と叫んだところで、どのデバイスも耳を傾けてくれません。 Wi-Fiが密集したビルでは、壁にネットワーク接続されたイーサネットポートだけが救いの手を差し伸べてくれました。ワイヤレスで2台のPCを繋いでスムーズなコミュニケーション環境を整備したい場合、ブロードバンド、ファイアウォール、壁の構造、サブネットワーク、QoSルール、ルーターのファームウェア、混雑状況など様々なことを考慮しなければなりません。家庭用イーサネットで2台のデバイスを繋げたい時は、両方のデバイスをプラグインします。壁を叩いて、その裏にレンガやドライヤー用の排気口など障壁があるか確認する必要はありません。ただ繋ぐだけです。 長さが十分なイーサネットケーブルを購入してから、Zoomでフリーズしたり、ビデオがバッファしたことはありません。我が家には、まだ何十台ものワイヤレスガジェットが悲鳴を上げ続けていますが、イーサネットを使う私には届きません。あなたが広い家に住んでいる場合やWi-Fiのみで接続する動かないガジェットを持っていている場合、イーサネットとメッシュネットワークを組み合わせて、有線拡張と安定したネットワークを構築しましょう。真のヒーローは、両端が切り取られた地味なイーサネットケーブルです。以前の私は、このケーブルが最盛期を迎えて衰退する一方だと思っていました。しかし、今でも活躍しています。 ノンワイヤレススピーカー (もしくは類似したもの) 自宅にあるワイヤレスSonosスピーカーは、混雑したWi-Fiネットワーク圏内に置かれていました。なんとか生きてはいましたが、日の目を浴びていません。携帯電話からワイヤレス再生するために接続しようとしても、何日かおきに、Sonosが端末リストから消えています。その度にSonosのプラグを抜いてリセットすれば、またリストに表示されています。しかし次に接続しようとすればリストにありません。一台のSonosは無線LANルーターからたった1.5メートル離れたところに置いてあるにも関わらずこの有様です。オーディオの未来はここにあります。それはSonosのサポートに何ページもの診断ログを送信することです。 我が家のSonosが消えては表れる現象を繰り返す中、マサチューセッツの田舎に住む友人を訪ねました。彼の新居は、先代オーナーがさまざまなアイデアを盛り込んだものでした。バスタブの天井に埋め込み型スピーカー、リビングルームにはサラウンドサウンド、その他は赤と白(+と-)のプラグで統一された、家庭用音響設備でした。せっかく壁の中に入れてあるのに、使われていないのはもったいないことです。 Facebook Marketplaceで、Pioneer スピーカー(リアスピーカ0ー2台とセンタースピーカー1台)が20ドルで売られていました。私たちはそれを購入し、レシーバーを借りましたが、プラグ表示が全くないためフラストレーションを抱えながらもなんとか設置できました。週末にビールを飲みながら、音楽を聴き、修理やDIYを楽しみました。Pioneerからのサウンドが消えることはないし、友人の犬がスピーカーワイヤを噛みちぎる心配もありません。 Sonosスピーカーをワイヤで繋げる良い方法がありました。私は、SonosのサポートフォーラムやSubredditサイトを検索して、各Sonosユニットをルータで接続するよりも、Sonosユニットの一つをイーサネットに接続すると、オプションでプライベートのSonosnetに接続できることを発見しました。スピーカーをワイヤで接続できない場合は、Wi-Fiから切り離す方法が得策かもしれません。 ワイヤレス非対応充電 私も妻もワイヤレス充電用のスマートフォンを所有しているので、ケーブルのない未来を想像してみました。アイランドキッチンのどこに充電パッドを置けばよいか?妻のデスクで最も速く充電できるのはどのスタンドだろう?と。そんな時、Eric Ravenscraft氏(iFixit特集)のワイヤレス充電がいかに非効率的であるかという記事を読みました。 ワイヤレス充電を使ったことがある人なら、ある大きな問題点を知っているはずです。無意識に充電リングから外れると、デバイスが充電されません。AppleはMagSafeでこの問題に対処しようとしましたが、あまり上手くいっていません。位置合わせがうまくいっても、ワイヤレス充電自体が発熱するため、電力を無駄にします。 “算出したところ、コンセントからバッテリーまでの充電効率を100%とした場合、35億台のスマートフォンのバッテリーを充電するためには、約73基の石炭発電所を1日中稼働させる必要があります。”…

ツール

母の日に贈りたいギフトガイドー春は修理の季節です

春は天候が移りやすく、気温の調整が難しい季節ですが、いつの年も変わらないことがあります。5月といえば母の日です。あなたがお母さんでも、お母さんがいる方も、また夏が近づいて日が長くなるのを楽しみにしている方も、待ち遠しかった春がやってきました。 春といえば、新生活、大掃除、そして外に出て新鮮な空気の中で過ごすことです。そこでiFixitらしい提案をしましょう。今年の母の日には「修理の贈り物」はいかがですか。お母さんに電話をして、修理が必要な壊れたガジェットのリストを一緒に挙げてみましょう。使えずに埃を被っているものを修理できれば、新しいものを買う必要はありません。ランニングシューズの底を張り替えたり、スマートウォッチのバッテリーを交換したり、自転車をメンテナンスしてあげましょう。さらにインスピレーションが欲しいですか?この春の母の日ギフトガイドをご覧ください! 新年の抱負を継続させて、あらたな一歩を進めましょう フィットネスのためにApple Watchを手に入れてもうまく機能しませんか?旧モデルのFitbitを知り合いから譲り受けましたか?一緒に修理をして、フィットネスを継続しましょう。iFixitにはスマートウォッチのバッテリーや、眠ったままのウェアラブルを目覚めさせるパーツがたくさん用意されています。お母さんに電話をして、ツールを手に取り、修理ガイドを見つけてください。自分で修理したスマートウォッチは、あなたの手元も足元も元気にしてくれるはずです。 ガラクタが詰まった引き出しと修理待ちリストを片付けましょう 自宅のキッチンやデスクの引き出しが、3本ばらばらのプラスドライバーや中身の半分が行方不明のメガネの修理キットで埋もれていたら、一般家電製品の修理に対応できる完全ツールキットに変えましょう。年齢やスキル、引き出しの大きさに関係なく、あなたにぴったりのキットがあります。 Moray Driver Kit (Morayドライバーキット) ネジに特化した小ぶりなドライバーキットをお探しなら、Moray Driver kitが最適です。使い勝手が良く、持ち運びに便利で、スリムなケースに入ったこのキットは、お鍋のハンドルを締めたり、キャビネットのきしみ音を解消したり、ケトルから出るスチームの量を調節するのに役立ちます。ビットを陳列させるフォーム製切り欠きやレザーカットされたラベル、そして厳選されたビットのセレクションが詰まったこのキットは、お母さんたちに重宝されること間違いなしです。外出先でも使えるように車のグローブボックスに入れしたり、ツールボックスの引き出しの中に常備させておくことができます。 Essential Electronics Toolkit (エッセンシャルエレクトロニクスツールキット) もっとDIYプロジェクトをしたいお母さんには、傷のつきにくいナイロン製のツール、頑丈なオープニングツール、そしてテック製品に特化したビットが揃うEssential Electronics Toolkit をお勧めします。友達の壊れたスマートフォンのスクリーンを交換してあげる日も、そう遠くないかもしれません。修理は思う以上に伝染力が強いものです。何千もの無料修理ガイドと組み合わせると、iFixitは贈り物のような存在です。トースターにこびり付いたパンくずを掃除するなど”すぐに片付けたいこと”リストも、すぐに取り組むことができます! Pro Tech Toolkit(Pro Techツールキット) もしあなたのお母さんが修理初心者を卒業しているなら、花束の贈り物よりもPro Tech Toolkitを選びましょう。電子機器のDIY修理に必要な工具類が全て詰まったテック用修理キットです。最も汎用性の高いキットを届けたいなら、プロテックはいつでもあなたを待っています。豊富なツールに加えて、持ち運びや保管に便利なスリーブロールも、このツールキットが最も支持される理由です。 今年の母の日は、Earth…

テックニュース

Appleセルフサービス修理プログラムが始動しました。

Appleは、2021年11月に発表したDIY修理用パーツプログラム、セルフサービス修理プログラムをついに始動させます。そして4月27日より、米国内のAppleではiPhone 12、13、SE 3の純正パーツとツールを購入することができます。対象パーツはバッテリー、下部スピーカー、カメラ、ディスプレイ、SIMトレイ、Taptic Engineです。来年にかけて、このセルフ修理プログラムはM1 MacBookへと拡充され、また欧州もサービス対象地域に加わるようです。また将来的には、その他のパーツ製品販売も含めながら対象地域も広げられる予定です。今のところ、AppleがiFixitのようにiPhone旧モデルをサポートするかは不明です。 昨年11月の時点では、iFixitはこの新プログラムについて慎重ながらも楽観的に捉えていました。より多くの人に修理できる機会が与えられることは、素晴らしいニュースだからです!本日、Appleが発表した詳細の中で、希望に満ちたサービスも多くあります。とりわけ新モデルのパーツ提供については7年間保証されること、これまでAppleの正規技術者しか手に入れられなかったツールが一般販売されること、そして公式Appleサイト上で手順ごとにまとめられた無料の修理マニュアルが公開されます。しかし、この新しい領域への扉が開くと同時に、私たちはこの変化に圧倒され、いつもの懐疑心が沸き起こってきます。 まず、最大の問題点は?Appleはパーツのペアリング戦略をさらに強化し、ごく限られたシリアル番号で認証された修理のみに限定しています。つまりシリアル番号やIMEIがなければ、主要なパーツは購入できません。アフターマーケットから入手したパーツに交換した場合、「認証できませんでした」という警告表示が待っています。この戦略は、サードパーティーによる修理は機能を失わせる行為として妨害し、リサイクル業者やテック整備士たちの選択肢を劇的に制限させることに繋がり、循環経済を短絡させる可能性があります。 アメリカ国内では、AppleからiPhone 12の純正スクリーンを購入し、手間なく自分でインストールすることができるようになります。今までのDIY修理では、Face IDスピーカーとセンサーアセンブリを新しい交換用スクリーンに移植して、インストール終了後はスクリーンに表示される警告を無視するという一連の作業でした。もしアセンブリが破損していたり、欠陥があった場合は修理はここで行き止まり、運が悪かったと片付けるしかありませんでした。しかし新しいプログラムのおかげで、Appleの純正パーツを購入できれば、この問題を解決することができます。 一方で、パーツ購入時にiPhoneに付いてくるシリアル番号またはIMEIを入力しなければなりません。パーツをインストールした後、インストラクションに従ってワイヤレスの設定ソフトウェアを介してパーツとiPhoneをペアリングする必要があります。パーツのペアリングが必要になるということは、パーツ販売が終了した時、iPhoneに有効期限が設けられるということです。修理業者がまだ機能するiPhoneに非純正パーツを入れた場合、完全に修復することはできません。他のiPhoneから取り出した純正ディスプレイと交換しても同様です。iFixitが連携して取り扱っているGoogle、HTC Vive、Motorola、Samsung、Valveの公式純正パーツは、購入時にシリアル番号を必要とせず、パーツとデバイスをペアリングするためのソフトウェアも不要です。これは私たちにとって重要なポイントです。 Appleが修理マニュアルをオンラインで誰でも無料で利用できるようにしたことは、本当に素晴らしいことです。こんなに嬉しいことはありません。20年来の願いが叶ったようです。Appleは、修理用ツールも初めて一般販売を始めました。Apple純正のバッテリープレスやディスプレイ用の接着剤リムーバーなどが購入できるだけでなく、これらのツールをレンタルすることができます。49ドル(約6000円*)で、iPhone修理に必要な公式ツール一式を利用できるのです。なんと頑丈なケース2個の中に、合わせて35Kgのツールが入っています!車のオイル交換のためにBoston Dynamicsのロボットをレンタルするような感覚です。通常のDIYを愛する個人技術者たちは、これだけのツール一式を揃える費用や手間はかけないだろうという予想に反しながらも、Appleが公開した修理マニュアルは専門的で頑丈なツールを使用することを想定して作成されています。今の所、iPhoneオーナーや個人技術者たちはiPhoneの修理はもっとシンプルなツールがあれば修理ができると実証しています。 またAppleは、MacBookのバッテリーサポートを10年間提供することに加え、iPhone用パーツについても7年のサポートを約束しました。(カリフォルニア州の規定により7年のサポートは義務付けられています)。バッテリーの交換は必須のメンテナンスと考えるべきで、発売から10年間にわたるバッテリーの提供は、テック業界で遵守する最低ラインであるべきです。 提供価格はApple正規サービスプロバイダプログラムと同様に、iPhoneオーナーや個人技術者たちは”卸売り”に近い価格でパーツを購入できます。(本来の卸売を望んでいる企業にとっては満足できる価格ではありません)。AppleのiPhone 12 純正バッテリーは、本体価格の6%にあたる価格です。スクリーンは本体の約33%にあたる価格です。さらにAppleは不要になった古いスクリーンを回収してくれます。増え続けるE-wasteを考えると、これは良いサービスで、Appleにとっても整備して再利用を広げれる理想的な仕組みです。 Appleで販売されるiPhone 12の純正ディスプレイは269.95ドル(約35,000円)で、古いスクリーンをリサイクル回収に出すと33.60ドル(約4,300円)が戻ってきます。Appleからツールをレンタルすると、49ドル(約6,300円)が加算され、修理にかかる合計は285.35ドル(約37,000円)になります。iFixitではOLEDディスプレイの場合は249.95ドル(約32,000円)、アフターマーケットのLCDは199.95ドル(約26,000円)で、ツールを含む修理キットとして販売しています。iFixitのパーツ価格は発売以降の経過時間と比例して大きく変化します。参考までに、現在のツール付きiPhone 11スクリーン修理キットは124.99ドル(約16,000円)です。 修理を考慮するとAppleの新プログラムは素晴らしい一歩であり、思い切った方向転換です。しかし、このプログラムは世界中で目指す修理する権利の法制化とは一致しません。私たちが目指す修理する権利は、独立系修理店にリペア市場で競争できる機会を与え、結果として修理費全体を引き下げることです。残念ながら、Appleのプログラムは、片方の手で修理の自由を拡大しながら、もう片方の手でドアを施錠しています。シリアル番号の確認を購入時のプロセスに統合することは危険な前兆であり、将来的にはAppleがさらに多くの修理を阻止する力を持つようになる可能性があります。Appleは個々の技術者の修理をより簡単にするテクノロジーを提供しながら、純正もしくは非純正パーツを使った修理を”承認”、あるいは”拒否”できるゲートウェイを構築するでしょう。 私たちは、AppleのDIY修理プログラムを澄み切った心で支持することができればと思います。DIY修理のオプションがないことよりも、このプログラム導入は望ましいはずです。しかし、Appleのマーケティング担当者があなたに信じ込ませようとしているような、ユーザーや修理技術者たちにとって無条件の勝利ではありません。少なくとも、Appleはこのプログラムを導入する前にいくつかの課題を緻密に計算しています。メーカーは”修理する権利”の波がやって来ることを知っています 。私たちは、しかるべきタイミングでAppleがやり残した課題に取り掛かります。 * 1ドル=128円(2022年5月上旬時点) 翻訳: Midori Doi

分解

Galaxy S22 Ultra / S22の分解ウォールペーパー

iFixitが行なったSamsung Galaxy S22シリーズの同時分解ビデオを公開してから、パーフェクトなウォールペーパーを待ちわびていた方、お待たせしました! この新モデルの内部は旧モデルに比べると、Sペンや新しい振動モーターのおかげで、より楽しくユニークになりました。またディスプレイ上の素晴らしいカメラテクノロジーも披露されています。Creative Electronが得意とするところですが、この高度なカメラの内部を覗き見させてくれます。あなたも最新スマートフォンを手に取るたびに、搭載された極小ペリスコープ(潜望鏡)を愛でたくなるはずです。 Samsungの新しいチップ情報について詳細に知りたい方は、Galaxy S22 Ultra分解のブログ記事をご覧ください。Appleは、プロセッサの熱効率化ゲームで他メーカーを大きく牽引しています。つまり競合メーカーたちは、チップの熱効率を格段に向上させるか、デバイスに汗をかかせるかの瀬戸際に立たされています。Samsungはなぜこのデバイスの背面側を接着剤で覆いながらも、修理の選択肢を増やすことができたのか、その理由は私たちの理解を超えています。しかしリペアビリティのスケールに当てはめると、3/10スコアを獲得しています。 これらのウォールペーパーを使用するには、使用中のスマートフォンからこのブログを開き、ダウンロードしたい画像をクリックするとフルサイズで表示されます。原寸大の画像サイズを確認して画像を保存した後、ホーム画面を長押しして”ウォールペーパー”を選択すると、壁紙を設定できます。 Samsung Galaxy S22 Ultra 内部画像ウォールペーパー Samsung Galaxy S22 Ultra X線画像ウォールペーパー Samsung Galaxy S22 内部画像ウォールペーパー Samsung Galaxy S22 X線画像ウォールペーパー ここで公開されている全てのコンテンツは、Creative Commons BY-NC-SA…

修理する権利

修理する権利に賛同しはじめたメーカー

私たちは以前から、修理ができるという事は、地球にもユーザーにもビジネスにとっても良いことだと繰り返し言ってきました。これは揺るぎない真実です。修理をすれば、電子廃棄物を削減し、リサイクルを容易にすることができます。皆さんも修理を成功させることで自信やパワーが湧いてきたり、節約に繋がった経験があるかもしれません。修理可能な製品は、メーカーにとっても意味があるのでしょうか?はい、意味があることです。  修理は世界共通のアクションです。メーカーは修理をすることで、製造上の問題をより迅速に解決でき、整備済み製品の再販が可能となり、リピーターを確保するためのブランドロイヤリティを構築できます。Samsungの調査によると、フランスの消費者の80%が、よりリペアビリティの高い製品が手に入るなら、お気に入りのメーカーの製品を諦めるという結果が出ています。Samsungは何年間も”修理する権利”に反対してきたにもかかわらず、ここにきてリペアビリティ重視のムーブメントに賛同し始めています。どうして、私たちにこの方向転換がわかるのでしょうか?その理由は、SamsungはiFixitにデザイナーを対象としたリペアビリティ改善のワークショップを依頼し、私たちはSamsung公式修理用パーツの販売など、喜んで協力体制を作り始めているからです。 生活家電のインフルエンサーたちは、トレンドを無視して今の地位を築いたわけではありません。それよりも、彼らはトレンドを予測するクールハンターであり、常にパラダイムシフトの真っただ中にいます。そして、この”修理する権利”は、注目すべき大きなうねりとなっています。欧州を中心に規制が盛り上がる中、アメリカ国内では超党派による法案提出やバイデン大統領の支持を受け、さらにメーカー内部でも修理する権利を支持する動きがあります。各メーカーは、このムーブメントが巨大化する前に素早い対応をしなければならないでしょう。  SamsungやAppleはパーツやツールの提供を公約に掲げています。Valve社はスペアパーツを配慮したSteamDeckを発表しました。またMicrosoftは接着剤を重用するデザインから一転して、修理を配慮した製品設計に転換しています。このようなデザインの改善は、いつか法規制される時のために、事前準備が始まっています。 修理する権利は、3つの根幹で構成されています。1) デバイスを開いて修理する基本的な権利を成文化すること、2) 修理マニュアルの公開を義務化すること、3) 交換用パーツや必要なツールの販売を義務付けることです。修理の法制化が実現すれば、メーカーはパーツやツールの管理・販売・出荷に伴うシステム構築や、一般ユーザーでも分かる明確なマニュアルの提供が求められるようになります。私たちは、これら全ての業務経験を…積んできました。 iFixitは20年近くにわたる何千種類もの修理ガイド作成や何百万時間にも及ぶリサーチ業務、そして世界中で修理を行う何万人ものユーザーのお陰で、修理情報とデバイスの寿命を延長するためのリソースとなりました。私たちは国際事業を展開しており、電子機器の修理に必要なノウハウや信頼できる交換用パーツと専用ツールを提供する販売ネットワーク、そして修理可能な設計について深い経験と知識を有しています。私たちの使命は、すべての人があらゆるものを修理できるようになることです。この目標を達成するための、新しい味方を得たことは素晴らしいことです。 昔から私たちをサポートしてくれている大切なユーザーの中には、iFixitの公平性を心配するかもしれません。十年以上も戦ってきたメーカーと手を組みながら、リペアビリティを向上できるのでしょうか?私たちは可能であると考えます。iFixitは後発組メーカーのために私たちが持つ経験を提供しますが、iFixitの承認サインを与えることはしません。修理する権利を実現するには、将来を見据えている国会議員、世界基準をデザインできるスタッフ、弁護士、有権者やあなたのような修理人、そしてもちろん現状を変えたい製造メーカーの参加が必要です。私たちは今後も変わることなく、デバイスのリペアビリティを評価し、修理不可能な設計をしたメーカーを厳しく非難していきます。iFixitは客観性を保つことを誓い、それを保証するための基準を設置し、パートナーシップの透明性を念頭に置いています。私たちはユーザーの皆さんにも、この運動に加わっていただきたいと願っていて、そのためには皆さんからの信頼を変わらず維持していく必要があります。iFixitはこれからもiFixitで居続けます。 現在繰り広げられているコラボレーションはもちろん、近い将来に舞い込んでくるであろう素晴らしいニュースにも期待を膨らませています。どんなニュースか想像できますか?もし新しい提携先のアイデアをお持ちでしたら、ぜひお聞かせください。Samsungのような企業が耳を傾けて協働してくれなければ、私たちは無力です。一人で行動するのは危険ですが、団結して行動していけばよいのです。 Let’s go fix the world. *このブログはMidori Doiによって翻訳されました。