France 24の報道によると、2022年12月に起きたApple製品の「計画的な陳腐化」を訴える訴訟は、欺瞞的なビジネスプラクティスの可能性について詳細な調査を行うきっかけとなりました。当初の訴訟は、フランスの消費者団体「Halte à l’Obsolescence Programmée(HOP, Halt Planned Obsolescence)」によって起こされました。この団体は、工場出荷時に部品がデバイスにデジタル的に結び付けるシリアル化するAppleの慣行が、独立した修理テックや一般ユーザーが行う修理を制限していることを可能にすることを訴えています。この訴訟では、iPhone 13および13 Proモデルの欠陥ディスプレイを交換した顧客が、AppleのFace IDが機能しなくなった事例などを挙げています。これに対してAppleは、この問題は欠陥のあるアップデートの結果であると主張し、iOS 15.2のリリースでこの「欠陥」を修正しました。

HOPの訴訟では、修理や再調整に障害を設けることを違法とするフランスの「サーキュラーエコノミー(循環型経済)のための廃棄物対策法(2020年)」に基づく違反が挙げられています。これに対処しなければ、Appleは「非正規」な修理を防ぐためにパーツのペアリングを続けるだろうと、この訴訟は主張しています。この件に関してAppleからコメントは出されていません。
反競争的慣行を理由とするメーカーへの訴訟が増加しています。米国では、農家や独立系修理業者たちが、農業機械メーカーのJohn Deere社に対して、同社の機械を修理する能力を違法に制限しているとして集団訴訟に直面しています。
電子自動車メーカーのTeslaは、テスラ・モデルSとモデルXの所有者から、車両のソフトウェア更新によって走行距離が20%も短くなったと報告され、2度目の訴訟を起こされています。2021年、同社はこの申し立てに関する集団訴訟を和解し、車両の機能を回復させ、影響を受けたドライバーにそれぞれ625ドルの損害賠償を支払いました。
その他のリペアニュース
- 独立系修理業者はAppleとの競争に太刀打ちできない: 2021年、オーストラリア政府のプロダクティビティ委員会から圧力を受けたAppleは、独立修理業者プログラムを立ち上げ、小さな修理ショップでもAppleが提供する工具や純正部品を使用してiPhoneなどの修理を可能とし、Appleと競合できるようにしました。2年後、Guardian Australiaの記事によると、オーストラリアとアメリカの独立系修理工場は、Appleの発送の遅さと交換部品の価格の高さから、Appleの正規修理に対抗することはほとんど不可能であると述べています。
- 衣類の修理にまつわる新たな議論: 衣料品の労働者たちに対する世界的な搾取は続きます。CEOが裁縫工場労働者の年収の400倍を稼ごうが、ファッション業界労働者たちの労働環境が劣悪であろうが、修繕を通じてより長く衣類を持ち続けることができるエシカルブランドを支持することに、確固たる論拠があります。
- Frameworkはアップグレード可能: Tom’s Guide社のAlex Wawro氏は、「Framework社が最初のラップトップを発売したときから、私はFrameworkに注目してきました。何十台ものラップトップPCを検討した結果、この製品は、購入したい最高のWindowsラップトップの1つだ。」と述べています。
- 100万台もの電子廃棄物の埋立処分を阻止するアプリ(イギリス): 2020年に開始したサーキュラーITビジネスアプリ上での電子製品の再整備やリサイクルをやリサイクルを通じて、「Stone360」アプリを利用する企業は、より効果的に不要なIT資産を処分し、不要なIT機器の回収を手配できます。
- 自家用車の所有年数が増加し続ける理由(アメリカ): 新車・中古車どちらも購入には高額な費用がかかるため、今所有している車を使い続けるしかない人が増加しています。S&Pのアソシエイト・ディレクターのTodd Campau氏は、「修理と購入の方程式が変わった」と述べています。修理費が高騰しても、古い車を修理する方が、購入するよりも費用対効果が高いのが一般的です」と言います。2019年以降の平均車齢は増加傾向にあり、今年に入って大幅に3カ月も伸びました。今のところ、自家用車の平均所有年数は12.5年ですが、より多くの車両が20年以上、また3ー4人目の歴代オーナーへと譲り渡っていると指摘します。
- John Deere社のソフトウェア年間契約料は高額すぎる: (ディーラーを介さずに)農業用機械の故障診断や修理ができるソフトウェアの価格について、一部の農家から疑問の声が上がっています。同社とアメリカ農務局の協定締結も、同社による潜在的なマーケティング戦略だとする声が上がっています。
- デバイスの耐久性やリペアビリティを重視した政策(EU): 欧州の政策では、製品寿命を延長させる重要性と、この政策の整合性をを促進するための国際協力が強調され始めています。それを実現するための主要な政策手段は、以下の5つです。
- 修理を進めるクーポン券と修理の助成
- 製品の耐用年数やリペアビリティの情報提供
- 製品の修理可能な設計に関する最低要件
- 未使用製品の破棄禁止
- 計画的陳腐化の犯罪化
- マリー・グルセンカンプ・ペレス:アメリカ民主党員で元自動車修理工場のオーナーであるグルセンカンプ・ペレス氏は、消費者や独立系オート修理工場が修理に必要な工具、部品、データを入手できるようにし、コストを下げて中小企業を支援することを目的とした2つの法案を議会に提出しました。
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