キャリブレーションをしなければ、バッテリーの残量パーセンテージが正しく表示されません。そしてデバイスが正しく機能しないことがあります—例えば、交換済みのバッテリー残量は半分あることを“表示している”にも関わらず、突然シャットダウンしてしまうことがあります。あるいは、バッテリー残量が少なく表示されているにも関わらず、何時間も稼働する場合もあります。
バッテリーのキャリブレーション方法
スマートフォン とタブレット用:
- フル充電後、少なくとも2時間以上充電を続けます。
- プラグを外し、バッテリーが残量0になるまで、通常通り使用します。
- それから100%まで中断なくフル充電します。
ラップトップ用:
- フル充電後、少なくとも2時間以上は充電を続けます。
- ラップトップのプラグを外して、バッテリーが残量0になるまで、通常通り使用します。
- バッテリー残量のシグナルが表示されたら、作業中のデータを保存します。
- バッテリー残量がなくなり、スリープ状態に入るまで、続けてラップトップを使用します。
- スリープ状態に入ったら少なくとも5時間放置してください。それから中断なくフル充電します。
macOS Catalina 10.15.5以降が動作するThunderbolt 3ポートつきのApple MacBookには、バッテリーを100%充電することを防ぐバッテリー状態管理機能が備わっています。もしお使いのMacBookにこの機能が備わっている場合は、キャリブレーションを開始する前に無効にしてください。
バッテリー寿命に渡って、バッテリー残量が適切に表示されるよう、このプロセスを定期的に行うことを推奨します。(目安は毎月1回)
基礎知識: キャリブレーションとは何?
バッテリーのキャリブレーションについての説明はこちらのページを参照ください(英語表記)。この次に説明するのは私たちが集めた総計です。
バッテリー残量についての根本的な問題は、今この瞬間に、バッテリー残量がどれだけあるかを正確に知れる信頼できる方法がないということです。(これは常に変化し、減衰する電気の蓄電システムによるもので、1回の充電から次の充電まで、全て同じように動作しません。) 唯一、信頼できる測定方法は、バッテリーを完全に充電してから自然に放電させ、その差を測定することです。(別名: クーロン・カウンタ方式) そして、毎回この方法に則ってバッテリーレベルを測定できません。そのため間接的な方法を採るしかありません。使用状況に関する全データを保存し、このデータから刻々と変化する推定充電率%を計算する方法です。時間の経過につれて、その計算の差異が生じ、正確さが低下する傾向があります。 稼働したばかりの新しいバッテリーでは、実際に使用できる適切なデータがないため、このモデル方法は適用できません。キャリブレーションは、バッテリー管理システムに、新規の“100%充電した状態“と“100%放電した状態“を設定することで、正確な測定を管理することができます。これにより、残量の推測は不要になります。それにもかかわらず、依然として私たちは目隠しして遊ぶ福笑いをしている状態には変わりません。 キャリブレーションはバッテリー管理システムに "目のパーツはこの辺りだよと示唆てくれるのです"。
“フル充電” と “完全放電” とはどういう意味ですか?
ここに問題の根源があります。 どうやって” フル充電” と”完全放電” フラグを更新しますか?Battery Universityの上記リンク先のページには、このように表示されています:
計測の精度を維持するには、デバイスのバッテリーを稼働させて、”バッテリー残量のシグナル”が表示されたら充電してください。完全放電により放電フラグが設定され、完全充電によって充電フラグが設定されます。この放電フラグと充電フラグの間に形成される直線ラインによって、充電状態を推定できます。時間の経過とともに、この直線ラインが歪んでしまい、バッテリーの再キャリブレーションが必要になります。 図2は、フル放電フラグとフル充電フラグを示しています。
図2: フル放電フラグとフル充電フラグ。 キャリブレーションは、フル充電、放電、充電を通して実行されます。 これは、機器を通して行われたり、またはバッテリメンテナンスの一部としてバッテリアナライザを使用して行われます。
ここに注目すべき2つの点があります: (1) このページによると、放電してから充電するだけでは十分ではないようです。すなわち、完全に充電することから始めなければなりません。そして(2) “フル放電” は不正確なことがあります—この図は、完全放電フラグが10%で設定されるように見えますが、解決しなければならない問題は読み取りパーセンテージが不正確であることです。 バッテリーの測定値が不正確な場合、バッテリー残量が”10%未満”であることをどうやって確認できますか? 確認できません! 例えば、バッテリー残量のシグナルが表示された多数のバッテリーを実際にインストールします。それからデバイスをフル稼働させてバッテリー充電1%にします。つまり、 残量を”10%以下”まで消耗させたバッテリーのキャリブレーションを行うのは無駄です。燃料ゲージが壊れている車を誰かに預けて、タンクが25%になるまで運転するように指示するようなものです。
ここで起こっているように見えるのは、上のグラフは実際のバッテリーの化学反応の様子を示しているもので、ユーザーに表示されるパーセンテージではありません。両者は大変異なります。実際のバッテリー化学反応状態が10%であっても、ユーザー向けソフトウェアは、バッテリー残量がゼロに近いと判断する場合があります。 これはバッテリーが損傷して、システムの再起動ができない場合、安全なレベル以下まで放電しないようにするために意図的に行われます。 要するに、システムは常に安全対策としてバッテリー残量をわずかに残したまま自動的にシャットダウンしますが、ユーザーには実際の残量は表示されません。 上記リンク記事であるコメントが残されています:
- バッテリー残量のシグナルは、使用中のデータ損失を防ぐための手段としてデバイスソフトウェアに実装されており、バッテリー管理システムから完全に独立しています。
- バッテリー残量0による自動シャットダウンまでデバイスを稼働させたとしても、バッテリー管理システムはバッテリーへのダメージを防止するためにバッテリー残量を十分に高いレベルで維持しています。
- スクリーンに表示されるバッテリーゲージは、基本的にバッテリーの総充電量ではなく、バッテリーの使用可能な充電量です。 このために、”バッテリー残量シグナル”のパーセンテージ設定を変更することができるのです。バッテリーを保護するためではなく(バッテリー管理システムによって自動的に行われます)、作業を保存したり、 充電器に接続するための余裕を持たせています。
- したがって、デバイスのバッテリーをキャリブレーションする場合は、再充電する前に自動的にシャットダウンするまでシグナルを無視して放電する必要があります。そうでなければ、バッテリーを完全に放電したことにならず、バッテリー管理システムの放電フラグの設定が誤ったものとなります。結果としてバッテリーのキャリブレーション作業が不完全のものとなります。
- 稼働中、2つの異なる(ただし接続された)システムが存在することを念頭に置きましょう。1つはバッテリーの状態を監視および制御するバッテリー管理システム、そしてもう1つはバッテリー管理システムからからデータを読み取って、バッテリーの充電ステータスや様々なフラグに対する応答(放電フラグが設定されている場合のシャットダウンなど)を表示するソフトウェアユーザーインターフェイス(および関連する電力制御ソフトウェア)です。
さて次は?
Appleの公式ウェブサイト上でキャリブレーションの方法を参照するのが一番ですが、Appleのバッテリーは工場出荷時にキャリブレーションされており、ユーザー自身では交換できないようになっているため、この公式サイトページは削除されたようです。しかしながら沢山のフォーラムで残された次のようなコメントを読むことができます。
ラップトップのバッテリーをキャリブレーションするには:
- MagSafe パワーアダプタにプラグインして、バッテリーをフル充電します。
- バッテリーがフル充電されたら、MagSafe パワーアダプタのコネクタのライトがグリーンに切り替わり、メニューバーのバッテリーアイコン上でバッテリーが充電していることが表示されます。
- バッテリーが充電した状態で少なくとも2時間以上放置します。
- 電源アダプタが接続されていれば、この間もコンピュータの使用ができます。
- コンピューターの電源を入れたまま、アダプターを外して、コンピューターの使用を続けます。
- バッテリー残量シグナルが表示されたら、作業を保存してから全てのアプリケーションを閉じます。 スリープ状態になるまでコンピューターの電源を入れたままにします。
- コンピューターがスリープ状態になったら、電源を切るか5時間以上スリープ状態にします。
- 電源アダプターを接続し、バッテリーが完全に充電されるまで接続したままにします。
Appleはあなたのラップトップのシステムがフル充電 もしくは フル放電の状態を判断できるのかあまり信頼していないようです。そしてキャリブレーションをする前に、念のためチャージャーに追加で2時間繋げて欲しいようです。
これは、私たちがこのページで学んだこと同じで、ウェブ上の他のバッテリーキャリブレーションDIYの内容とも一致しています。
以下の翻訳者の皆さんにお礼を申し上げます:
100%
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116 件のコメント
I have a question. When calibrating my battery ( for a Samsung Galaxy Note 5) would it be bad to use fast charging? Thanks!
Linktoad64 - 返信
@linktoad I don’t know the answer to your question but let me provide a data-point. I had my kid’s Samsung S7 Edge’s battery replaced by a 3rd party and it never worked right … even after discharging and attempting full charge with the blessed Samsung charger. It would at best go up to %65 but it got even real bad and would not stay on. I placed it on my external Anker battery and all of a sudden it was reaching %99 and after full charge I’m seeing it at %88 after over 6 hours. So I think you may have touched on something - it might be beneficial to charge with a “dumb” source for the calibration process.
NYH -
@syzmonmochort
A rubbish 3rd party battery will be bad. A good ''''3rd party battery should be just the same as a genuine part.
[deleted] -
@szymonmochort But iFixit batteries are most of the time 3rd parties, and they are good. What you said is wrong.
Gabriel-Science -
Really great writing, Jeff. Both informative and entertaining. Kudos.
Thomas Lewis - 返信