以下の内容は、Pixel 6 Proの分解ビデオ の撮影用台本に基づいており、ビデオの音声対話と完全に一致しない可能性があります。ご了承ください。
Google Pixel 6は、今秋のiFixitの分解ラインナップからもう少しで抜け落ちてしまうところでした。iPhone 13のパーツペアリング騒動を深く掘り下げた後、次はPixel 6 Proを分解しなければならないと考えていました。その理由は…最後までご覧いただければお分かりいただけると思います。
先週公開したビデオを見逃した方のために補足すると、iPhone 13にはFaceIDハードウェアとペアになっている小さなチップがディスプレイ背面に搭載されています。そのチップを丹念に新しいディスプレイへ移植せずにディスプレイを交換すると、FaceID機能を完全に失ってしまいます。
この事態がインターネット上で大騒ぎになった後、AppleはThe Vergeに対し、将来のソフトウェア・アップデートでこの問題を修正すると伝えました。
これはセキュリティ上の問題ではないことが確認できています。より信憑性が高いのは、独立したリペアショップに向けた次なる一撃、あるいは発売前に修正する準備が整っていなかった偶発的なバグかもしれません。
Appleの対応とは全く対照的に、GoogleのPixel 6 Proが登場しました。Hugh Jeffreyの分解によると、この新モデルには、ディスプレイ交換後、指紋センサーを無効にする同様のソフトウェア問題があることが分かりました。
しかし!Googleはここで正しい決断をしました。早速、この新モデルの中身を開いて確認してましょう。
まず、このPixelをヒートマットの上に置き、ディスプレイに留められた接着剤を柔らかくします。iPhoneと同じように、Pixelフォンもサンドイッチの半分がディスプレイで、最初に取り外せる設計のためスクリーンの修理は簡単です。
接着剤を剥がすと、ケーブル1本を外せばディスプレイが完全に取り外せます。
Googleが正しいやり方を選んだまず最初の例は、このスクリーンをデバイスの他のエリアに単純に接着するのではなく、ディスプレイ縁にプラスチックのフレームを取り付け、そこに小さなクリップで固定させたのです。
このデザインによって2つのことが実現します。1つはスクリーン背面に小さな保護レイヤーを追加して、開口したときの衝撃からデリケートなOLEDパネルを守れること。そしてもう1つは、修理後の接着剤を交換できない、あるいは交換したくない場合、交換の必要がありません。クリップでスクリーンを固定すれば、すぐに元通り、使用できます。ただし液体には気をつけましょう。
また、スクリーン背面には、他のデバイスでもお馴染みのディスプレイ埋め込み型指紋認証リーダーが搭載されているのが確認できます。
さて指紋センサーと言えば、ちょっと話は逸れます。生体認証機能を伴う場合、メーカーがセキュリティを考慮した上で設計することは当然のことながら重要です。と同時に、あまり認知されていませんが、キャリブレーションも考慮することが重要です。
キャリブレーションは、ペアリングされたデバイスのコンポーネントに関して、Appleが常にこだわっていることで、そこにはある理由付けができます。
ディスプレイ、カメラ、フェイススキャナーや指紋スキャナーなど、多くのパーツは製造工程でキャリブレーションが行われます。この後でパーツを交換すると、新しいパーツが仕様に合致しない場合、ユーザーエクスペリエンスに影響を与える可能性があります。
では、どうすれば良いのでしょうか?
オリジナルのパーツが工場でキャリブレーションできるなら、新しいパーツも同じようにキャリブレーションできるはずです!そして、ここに2つ目のGoogleの成功例が見て取れます。
Googleは、あなたがGoogleにお金を払ってデバイスを修理し、指紋センサー機能を維持することを強いていません。むしろ驚くほど操作が簡単なウェブツールを使用して、新しいディスプレイのセンサーを再キャリブレーションし、(ここは推測ですが)純正パーツであるか確認します。
そして、彼らはこれを発売時に準備してました。ソフトウェアのアップデートを指をくわえて待つ必要はありません。Google,すばらしい仕事をしてくれますね。
ただ、このツールが他のソフトウェアよりも長く提供されることを願っています。
さて、Pixelの分解に戻りますが、他にも面白いものがあります。あまり深くは触れませんが、この奇妙なバッテリープルタブと、Googleオリジナルのチップを見てみたいと思います。
分解の手を阻むのは3つのグラファイトステッカーで、一見何の害もないように見えますが、再利用するには慎重に剥がさなければなりません。しかし、ここが最大の難関と言えるでしょう。
そして、このメタル製のシールドを固定しているネジを外すと、ようやくバッテリーを取り出せます。
Googleは、バッテリーを取り外す手段として、この透明なプラスチック製のタブを付けていますが、私にはどうしてもその意図が分かりません。
前後に動かして下に留められた接着剤を切開できるかと思いました。しかし、プラスチックには十分な強度がないため、適量のイソプロピルアルコールを注入しなければ切れませんでした。
結局、最後はプラスチックのストリップが切断してしまい、昔ながらの吸盤カップを使った作業に頼ることになりました。
このタブの存在は、Googleがバッテリー取り外しのために適切な方法、あるいは適切な方法を試みた3つ目の例です。リチウムイオンバッテリーは経年劣化により充電できなくなるため、簡単に取り外して交換できることが重要です。しかし、このデザインにはもう少し工夫が必要なようです。もしくは使用方法が載った便利なガイドが必要かもしれません。
さて、最後にこの美味しいチップIDをご紹介しましょう。
コミュニティメンバーのたぬきマンさんのおかげで、日本からサクッと美味しいGoogleオリジナルチップスが届けられました。さっそく開けてみて、どんなチップが入っているのか味わってみましょう。まずは一枚……んっ、これは全く新しいTensorチップかもしれません。Micronメモリも隠し味です。
このチップの残りの仕事は、他のiFixitスタッフたちに残しておきましょう。他にもPixelに搭載されたチップ を見たいという方は、コメント欄でお知らせください。
Pixel 6 Proのリペアビリティは、最終的には賛否両論といったところでしょうか。プロテクトされたディスプレイ構造や無料のペアリングソフトウェアも本当に素晴らしいですが、それは今の所それは期待であって、まだ評価するのは早いでしょう。バッテリーの取り外し手順は、努力の結果として評価はCです。せめてインストラクションがあればよかったのですが。
iFixitチャンネルを引き続きお楽しみに!新AirPodsやリペアビリティの高いスマートフォンななど、エキサイティングなニュースが盛りだくさんの予定です。
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