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日頃私たちが手にするガジェットや新機能、科学的概念が私たちの見えないところでどのように機能するのか、驚くべきテクノロジーの裏側を紐解いていきます。日常的な技術の文脈で説明します。

テクノロジーが動く仕組み

私たちのスマートフォンのバッテリーについて、知っておきましょう

デバイスを分解して、その仕組みを解明する仕事に就いていると、デバイスに対する見方が変わってきます。私はスマートフォンの複雑な回路構成を考えるとき、人体の生態系と同じようになぞらえます。つまりスマートフォンにとってバッテリーは、紛れもなく心臓です。(安心してください、ここから本題です) 心臓が酸素を多く含んだ血液を全身に供給するように、スマートフォンのバッテリーも栄養価の高い電気エネルギーをデバイスのあらゆる部分に送り込み、健康で機能的な状態を保っています。例えば、あなたが60歳で心臓移植を受けたとしましょう。20歳の頃の身体には戻れないかもしれませんが、重要な機能は確実に向上します。スマートフォンのバッテリー交換もこれと同じです。 バッテリーの内側 iPhoneを含めた大部分の現代電子機器には、リチウムイオンバッテリーが使用されています。リチウムイオンバッテリーは、非常に揮発性の高い化学物質と金属の集合体で、超薄型の非導電層で隔てられています。これは電極が接触して爆発的な熱反応の発生を防ぐ目的です。これは子供たちが喜ぶ蛍光スティックの化学反応と同じで、スティックを曲げる前は、2つの溶液が互いに反応しないように分離されています。リチウムイオンバッテリーを破損すると爆発が起こるため、激しいパーティーに持っていくオシャレなアクセサリーではありません。言うまでもなく、バッテリーは携帯電話の中で最も…刺激的なパーツであると言えます。ただし通常の使用では安全です。 リチウムイオン電池については、こちらで網羅的に解説していますが、以下に実用的なポイントをまとめてみました。 1. リチウムイオンバッテリーは容量のメモリを記憶します  つまり、リチウムイオンバッテリーが完全に放電してしまう前に充電すれば、容量のメモリ機能に影響はありません。逆に旧タイプのニッケル水素電池はどれだけの容量であったか「忘れてしまう」ため、電池を0%まで放電しきってから充電することを推奨されていました。それに比べて、いつでも充電できるリチウムイオンバッテリーは電子機器を使用する私たちにとって、より便利な選択肢です。 2. バッテリーは消耗品です つまり使い切ったら終わりです。これが生命のサイクルというものです。Appleの公表によると、iPhoneは500回の充電(100%から0%まで)をすると、元の容量の80%までしか残りません。それ以降、完全充電してもバッテリーメーターの表示は100%ですが、最初に手に入れた時と比べてバッテリーは80%しか持ちません。アングリーバードのチャンピオンやTwitterのパワーユーザーであれば、テザリングなしの快適なゲーム時間を楽しむために、500サイクルに達する前にバッテリーの交換をお勧めします。 3. 最近のリチウムイオンバッテリーは、内部にスマート回路を搭載しています このスマート回路のおかげで、バッテリーが破損したり危険な状態になるのを防ぐことができます。この内蔵システムは他の安全システムとも連動しているため、完全充電したiPhoneを一晩中プラグに繋いでも、充電はストップし、バッテリーにダメージを与えることはありません。Lightningケーブルは、その安全システムの一部です。MFi Lightningケーブルには、危険な電圧スパイクや熱暴走からデバイスを保護するチップが組み込まれています。ガソリンスタンドで見かけるような安価なLightningケーブルの多くは、コストを削減しているため、MFiチップを搭載していません。既にiPhoneを購入した方は、余分なお金を払ってでもMFi Lightningケーブルを購入することをお勧めします。壊れてしまったiPhoneを交換するより随分とお得です。 4.バッテリーが膨張している恐ろしい写真をネット上で見ましたが、どうやって膨張するのでしょうか? リチウムイオンバッテリーは、物理的な損傷や保護回路の誤動作によりガスが膨張して過充電となることがあります。安全システムとしてバッテリーパック自体が排出するガスを封じ込めます。そのため、バッテリーが膨張している場合は、すぐに適切な方法で廃棄してください。廃棄先が決まるまで、安全な場所に砂を入れた不燃性バケツに膨張したバッテリーを保管してください。廃棄先については、お住まいの自治体の廃棄システムに従う、もしくは大型家電製品の回収ボックスや携帯キャリア、携帯電話ショップに膨張したバッテリーの回収が可能か問い合わせてください。 5. 事実:バッテリーは気温に非常にうるさい 温度は、リチウムイオンバッテリーを健康で快適に保つための重要な要素です。37℃以上の高温にさらされたバッテリーは何度にもわたる充電によって、寿命が短くなります。ペットのチワワと同じように、あなたの携帯電話も暑い車内に放置しないよう注意しましょう。 6. 死に至るスリープ状態 リチウムイオン電池を長時間にわたって完全放電させたままにしないでください。バッテリーの保護回路は、バッテリー残量が著しく低くなるとバッテリーの放電を遮断しますが、完全に遮断することはできません。バッテリーは徐々に自ら放電を続けて、正確な容量と再充電する能力を失っていきます。 まとめ: 筋肉と同じようにバッテリーも疲労しますが、スマートフォンを使えなくなるというわけではありません。たとえメーカーが新モデルを売りつけたいとしても、私たちは非常に特殊なネジさえも乗り越え、壊れたデバイスを元通りに直すことができます。あるいはバッテリーにアクセスしやすいデザインを求めて、修理する権利を勝ち取るために賛同したり、活動することもできます。使用期間が限られている携帯電話を欲しがる人は、どこにいるでしょうか? 訂正: このブログ記事の最初のバージョンでは、iPhoneのバッテリーは1年半の使用で容量の80%を維持すると記載しましたが、これは誤りです。バッテリーは500回の充電(100%から0%までの充電)を経過すると、80%の容量を維持します。これは携帯電話の使用頻度にもより、1年半から3年以上かかる可能性があります。この訂正を反映させるため、記事を更新しました。  翻訳: Midori…

by  - iFixit
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2021年 iFixitが行なった分解で最も興味深い発見

注:以下の文章は、iFixitのYouTubeビデオ「 iFixit’s Most Interesting Teardown Finds of 2021」の台本に基づくものです。以下のテキストは公開されたビデオの台詞と完全に一致しない場合があります。 私たちは今年も、数多くのデバイスを分解し、普段は外観でしか見ることのない私たちの目に隠された、斬新でクールな内部を沢山発見しました。このブログでは、iFixitが2021年に発見した最も興味深い分解をご紹介します。 1) SamsungがZ Flip 3モデルの防水仕様を完成させるまでの道のり まず、あなたなら折りたたみ式のデバイスにどうやって防水性能をもたせますか? 初めてSamsungのZ-Flipを分解した時、科学的とは程遠い蛍光パウダーの実験にさらされて、この初代モデルは失敗しました…見事に。 今年、Samsungはこの新モデルの防塵性能について言及しませんでしたが、これまでにIPX8等級の防水防塵性能を備えた折りたたみ式スマートフォンを2台も発売してきました。Samsungはこの新モデルにも防水性能をどう維持したのか知りたくて、分解モードに変えて内側を覗いてみました。そこで、iFixitオフィスの水槽に長時間浸してみた後、このデバイスの内側を開いてみることにしました。 私たちが他のデバイスの分解で発見したもの同様の防水方法を、Samsungも採用しています。接着剤をデバイス前面と背面両側に使用する利点は、液体侵入からデバイスを保護できます。一方で、修理を目的にこのデバイスを開くことが困難になります。 スマートフォンのパーツが液体などの外的要因にさらされてしまうことを考慮して、Samsungは内部をドライの状態に保つために素晴らしいエンジニアリングを施しました。完全防水に固執するよりも、ディスプレイの下に液体を侵入させながら、その下側に搭載された通信ケーブルを保護するために、”正確な位置”に埋め込まれた特殊な硬化ガスケットを使用して完全防水性能を実現しました。このガスケットは空気に触れると硬化を始め、基板やチップを液体から保護します。 修理の観点からすれば、このデバイスは厄介なほど複雑な構造ですが、それでも折りたたみ式スマートフォンに耐久性を持たせるための素晴らしい解決策です。 2) MacBookモデルのバッテリーに付いた便利なプルタブ? こんなコロナの経済状況下で? 次に紹介するのは、実に久しぶりに登場した(ある程度)修理可能なMacBook Proです……。 バッテリー交換が簡単なMacBook Proの登場から約10年経ちましたが、ありがたいことに、入手したばかりの新M1 MacBook Proにも、同じデザインが導入されています。 粘着性たっぷりで作業が面倒なバッテリーの取り外しを何年も続けてきた後、このホリデーシーズンにAppleは最高の贈り物をしてくれました。それは、ストレッチリリースタイプの接着ストリップです!2021年モデルのM1 MacBook…